「太陽のパスタ、豆のスープ」宮下奈都
婚約者から突然破談を持ちかけられた20代後半の女の子が主人公
その瞬間世界が灰色になりどん底の中救ってくれたのは
天真爛漫で明るい人柄の叔母
その叔母から提案された “ドリフターズリスト” なるもの
初めは 「こんなものなにになる」 と思っていたが気づけば自身のお守り的存在に
「そうか、こうありたい自分がここに濃縮されているのか」と気づく
叶っても叶わなくても “一切れのパン” のようなこのリストをポケットに忍ばせているだけで「よし大丈夫だ」と思える
家族や友人や木の置けない同僚
一切れのパンは、もしかしたらすぐ近くに今までもあったのかもしれない
その一切れのパンをちょっとずつでも集めていけたらこの先はきっと素敵なものになる
読了後、じんわりほっこり人生に向き合う気持ちをもらえたような
そんな感覚になった
宮下奈都さん、やっぱり素敵な作家さんだ
自分も、人と比べてどう、だとか
そんな短絡的な非本質的な思考はやめにして
“一切れのパン” の存在を大切にしていこうと思うのだった