「たった、それだけ」宮下奈都
宮下奈都さんの小説をまた一つ読んだ
父親が贈収賄の罪を犯し、逃げた
そのせいで不幸な人生を歩む娘
目の前の現実から目を背け逃げ続ける
そうした中、ある出会いが劇的に世界を明るく変える
そういう話なのだけど(めっちゃ雑な要約w)
物語は読み始めからずーっっっと暗い内容だったので
前回読んだ「羊と鋼の森」でとても爽やかな前向きなエネルギーを得た自分としては、期待とちょっと違ったなぁ、という印象ではあった
でも自分の考察が甘かった
やはりこの作家さんは素敵な言葉を紡ぐ
「逃げてるように見えても、地球は丸いんだ。反対側から見たら追いかけてるのかもしれねーし」
娘のルイを救った黒田トータの言葉だ
(厳密にはこの言葉は高校を辞めることになった同級生に向けたもの)
おおお!
なんて素敵なんだ
この小説のテーマはまさに「逃げ」なのだが
紆余曲折を経て、逃げるということは本人が何を望むかによってそれ自体はネガティブなことなんかじゃ決してない、ということだと僕は捉えた
反対側からみたら追いかけてる、かぁ 本当いいなぁ
まさにそうだよね、と思った
逃げる のではない
違う選択をする・別の道を進む ということだ
いいんだよ、人それぞれ道があって
同じ道にいる人からすると逃げに見えても
別の道を進むだけなんだから、なんら遠慮することはない
逃げというやつには言わせておけばいい
(すみませんなんだか実体験から来る熱が乗ってしまった笑)
ほんとそうだよ