「仏果を得ず」を読んで -三浦しをん-
「文楽」というなんとマイナーなテーマ!
若い人には絶対馴染みない。
でもそこはさすが三浦しをんさん、
人情に沿った親しみやすい話でどんどん引き込まれてた。
とっつきづらく芸に厳しい三味線弾きの兎一郎と相方を組む、主人公の健太夫の成長を描いた物語。
まさに全身全霊。
役柄、人物に真摯に向き合って芸の昇華に取り組む姿勢は心打たれる。
自分もまがりながら写真を生業にしている「芸事」と言えるのでは。
健に影響された。
頑張るで。
*
しをんさんの作品は、
男性がやや弱くて脆くて
女性がしっかり強い
そういう人間像が多いように思う。
そんなのもまた良き、それが人間だよね、
と肯定してくれているような。
そのほうが可愛げがあるとでも言うかのよう。