プロ空港おじさんの憂鬱(2) 優先搭乗はバーチャル・セイフティ・カー
この数年、航空会社の上級会員ステータスのおかげでエコノミークラスでも優先搭乗させて貰っている。
バーチャル・セイフティ・カー(VSC)というのはF1のルールで、レース中の事故処理など徐行が必要な局面で、セイフティ・カーは先導しないけど自分たちで減速して距離を保てというもの。
これが何の関係があるのかと首を傾げる向きもあろうが、優先搭乗の前には事前改札といって、乳幼児連れ、お年寄り、障害者の方が乗る。
優先搭乗の客が急ぐと、その人たちが座る前に追いついてしまうので一定の距離を保つよう僕は努めていて、そのさまがVSCみたいだなと思うわけ。
が、優先搭乗組には狭い連絡橋で早足に人を押しのけて乗り込もうとするおじさんがいる。
あの人種が何をしたいのかさっぱり分からない。自由席ではないのだし、先に座らないと死んじゃうとでもいうのだろうか。
あの人達が突然剥き出しにする情熱のようなものにはただただ驚いている。