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新年度スタート、そしてハウスも3年揃ってスタート! 【週刊新陽 #154】
自分が学生の頃、春休みは(記憶が正しければ)宿題も無いし、一番のんびり過ごせる休みだと思っていました。でも先生たちの春休みは、まったく"休み”ではなく、むしろ通常の授業がある時より忙しいかもしれません。
そんな春休みが明け、いろいろ新しくスタートした新陽高校をご紹介します。2024年度も『週刊新陽〜校長室から』をよろしくお願いします!
先生たちの新年度キックオフ
生徒の前に、まずは教職員の新年度がスタート。
新陽では毎年、年度始めに全職員会議で「運営方針」を共有します。今年は4月1日の午後、冒頭に校長から全体方針を15分、続いて分掌部長ならびにハウス長から各10分の持ち時間でそれぞれの方針を発表しました。
前年度の振り返りを踏まえた今年度の目標と、具体的に「なにを」「どのように」やるのかを各部のリーダーがプレゼンするのですが、一番大事なのは「なぜ」やるか。それを新陽のミドルリーダーたちは、「自分はこう思う」というアイ(I)メッセージと、「みなさんこうしてください」というユー(You)メッセージ、そして「私たちはこうしていきましょう」というWeを主語にした言葉で、バランスよく伝えてくれます。
途中休憩をはさみながらもトータル2時間にわたる長時間の会議となり、情報量もかなり多かったのですが、みんな集中力切らさず乗り切りました。
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4月最初の週は、会議と研修、そして進級・入学する生徒を迎える準備のラストスパートで教職員は大忙し。それでもイキイキして見えるのは、やっぱり先生たちは生徒が好きで、生徒たちに会えるのが楽しみだからなのでしょうね。生徒が登校する日の前日は特にみんな嬉しそうです。
そして、多岐にわたる業務を担当年次や分掌に限らず声を掛け合い協力してやり切るところや、何をするにも明るく楽しそうに取り組むのも、新陽の先生たちの良いところだなと思います。
ある新任の先生も「手が空いていれば迅速に他者のサポートに回るフットワークの軽さが、この職場の大きな武器となっているんだと実感しました」と話してくれました。
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漏れがないかトリプルチェック
本当の始まりは生徒が来てから
4月3日からは生徒が登校。まずは1年生です。
今年から、新入生には4月1日付で入学許可証を発行することにしました。入学式の前にオリエンテーションを行い、学習をスタートする準備をしておくためです。2日間かけて、Chromebookの配布や個人ロッカーの組み立て、学校のルールや仕組みの説明などを行いました。
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5日は新2・3年生が登校し、着任式と始業式。校長の話や教務部や生徒指導部の先生からの話もありましたが、生徒の関心はやはり自分のハウスのメンター陣。着任式で新任の先生が紹介された後に各ハウスのメンターが発表されるとザワザワしたり歓声が上がったり、一喜一憂していました。
同じく5日に行われた新入生歓迎会では、生徒会執行部の生徒が中心となって行事や委員会の紹介、各部活動によるデモンストレーションが行われました。今年度はさらに、生徒によるハウス紹介もあり(私は見逃してしまったのですが・・・)とても良かったそうです。
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先頭に立って歩くのを「恥ずかしい〜」と言っていた
生徒も本番は堂々と先導。さすが先輩!
6日は入学式。新入生代表の想いのこもった誓いの言葉や、男子硬式野球部による校歌紹介など、新陽らしいアットホームな式となりました。前校長の荒井ゆたかさんからもあたたかい祝辞をいただき、新入生たちは背中を押されたことと思います。
土曜日ということもあって多くのご家族が参列くださり、まだ風は冷たいながらも暖かい日差しが降り注ぐ中、241名の新入生を迎えることができました。(今号の見出し画像は写真局の生徒が撮影してくれた写真です。)
助け合いと切磋琢磨のコミュニティ
週明けの4月9日は、ハウス集会とメンター別ホームルームという新陽独自の「生徒が所属するコミュニティ」での活動を行いました。
単位制により『生徒の数だけ学びがある』新陽には、いわゆる固定的な学級(クラス)がありません。授業のクラスのメンバーは、自分が選んだ学び方や学びたい内容によって授業ごとに変わります。そこで、生徒が所属する基本集団としてハウスがあります。
《新陽生が忘れてはいけない大事な情報》
#学籍番号:生徒のID(卒業まで変わらない)
#ハウス:ブルー・グリーン・レッド・イエローの4ハウスのどれかに所属する(卒業まで変わらない)
#メンター:連絡や相談の窓口であり、学びや学校生活をサポートしてくれるメインの先生(年度ごとに変わることがある)。各ハウス6〜7名のメンターがチームで生徒を受け持つ
#コンパス:学び方によって異なる授業クラス。パイオニア・クエスト・アカデミアの3種類からなる
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なぜこのような仕組みにしているか、今年の始業式に合わせて生徒・保護者向けに発行した「新陽便り」に以下の文章を載せました。
〜多様性のあるコミュニティをみんなで作る〜
今は変化が激しく先が読めない時代と言われます。皆さんが大人になる頃はもっと予測を超えた、正解となる手本や模範がない社会になっているでしょう。その時に大事なのは「自分自身の確立」と「他者と協力し合えるつながり」です。新陽では、生徒一人ひとりが自分を極めるために、学び方が選べるコンパス別授業や興味・関心に応じて科目選択し学習できる自由度の高い教育課程を敷いています。同時に、協力し合えるつながりをつくることを目指して、年次を超えた相互サポートと切磋琢磨の関係性を築くハウスやチームメンターの仕組み、授業での協同的な学びを行っています。さらに、学校生活規則に細かいルールが無いのは、自立した社会の一員になることを目的にしているからですし、様々な出会いと原体験から新たなつながりを見つけ自分の可能性を広げてもらいたいと願っています。そうやって自分の居場所となるコミュニティでの振る舞い方、コミュニティのつくり方を学んでいってほしいのです。これらは決して簡単ではありませんが、新陽生ならできると信じています。
皆さんは、新陽というコミュニティ、そしてハウスやクラスというコミュニティの大切な一員です。それはつまり、皆さん一人ひとりがどう在るかがコミュニティの在り方に影響するとも言えます。誰もが多様性の一部として自分らしくいられる学校を、みんなでつくっていきましょう。
今年は単位制カリキュラムを導入して3年目となり、全年次の生徒が揃います。異年齢集団としてのハウスの完成に向けて、単位制導入1年目からメンターを担ってきた先生も今年度から新たにメンターになった先生も、どのようにハウス運営をしていくか、メンターとして生徒とどうか関わるか、日々情報共有し相談しながら進めています。
4月9日に行っていた各ハウスの集会を覗くと、今年度のテーマをハウス長が発表していました。
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各ハウスの2024年度の大目標やテーマ(の一部)
教員の配置や新入生のハウス分けはランダムで、タイプ別にメンバーを分けたり寄せたりしているわけではないのですが、年々、各ハウスのカラーがはっきりしてきたように感じます。
今年度のテーマもそれぞれで、各ハウスの「らしさ」が出ています。でもその一方、根底には新陽生として共通の「自由の相互尊重」というテーマが見えました。
これからYOSAKOIソーラン祭り・学校祭・体育祭など、様々な行事をハウス単位で取り組む中で、新陽ならではの多様性と共通性が発揮される場面がたくさん見られそうで楽しみです。
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【編集後記】
今年度も、大学を卒業したばかりの新卒の先生、他校を複数経験したベテラン先生、セカンドキャリアとして新しいスタートを切った先生など多彩な方々が新陽の仲間に加わってくれました!
最初の週末、ある先生に「どうですか?」と声をかけると、「1時間ごとに"最新学習歴"が更新されてます!」という感想が返ってきました。別の先生は、1週間を「まるで1か月、あるいはそれ以上の経験をしたかのような濃密な時間。ベンチャー企業みたいな勢いで日々が過ぎていきます。これまでに経験したことのないようなスピード感とチームワークの大切さを感じている。」と振り返っていらっしゃいました。
今年の年度替わりは特に変化が激しく、新任の先生でなくてもハードな2週間ほどを過ごしたと思いますが、来週からは通常授業。少しずつ日常のペースを作っていきたいと思います。