丸山薫詩集
ふと手に取ってみたら、箱は茶色い。
奥付を見たら「昭和51年10月5日 5版」とあった。
買ってすぐにだけ読んだというものではない。
毎年のように、手に取ることはあったのではないだろうか。
何の気なしに開いたページにあった、「島」という詩。
海しか見えない航海で
ふと見えた島影。
人はおろか鳥も住まないが、わずかに緑がある。
そんな小さな島を海の男たちが飽かず眺め
通り過ぎても後ろを気にする。
それからその日、その晩
船乗りたちははしゃいでいたという。
静かに描写しているだけ、に見えるのだけれど
心に染み入る。
表現力だけでなく共感力以上に人への愛情がありそうな。
たぶん包容力はあまりない自分を思うが、いかんともしがたく。
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