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ネバーブルーの伝説

昨日、読み終えた一冊。
久しぶりの本格ファンタジーである。


ネバーブルーとは、劣化しないインクの名である。

アスタリット皇国には図書館がある。
征服した国などの図書を集めて保全をしていこうとしている。
「塵禍」という人もモノも塵にしてしまう災害があり、
白亜虫というインクを食べてしまう虫もいて、本のページが真っ白だったりするのである。

来た本を写本する写本士の見習いには孤児が多く、空白もある本を毎日無空白は空白のまま、写本する。
写本した本は導師に預けられ、国の中枢に送られるとか。

主人公コボルも孤児である。発見された時から声が出なかった。
文字を教えられて筆談ができるようになった。
文字を書く仕事は気に入っていて、自分用のノートに写した本の、空白を補って自分の物語を作ったりしている。

ある時、よその土地に見習い仲間も含めて本を受け取りに行くことになる。そこから、事件に巻き込まれ、仲間を失ったり、政府の秘密を知ってしまったり他国の龍とともに冒険することになってしまう。

ネバーブルーとは劣化しないインクであり、それを探すように図書館長にひそかに頼まれる見習い。
自分たちの使っているインクが劣化するものであり、そのうち消えてしまうものだとその時知らされる。
後世に残すためだと言われて誇りをもってしていた写本が、消えてしまうインクでさせられていたとは。

そして訪れた地で、仲間の一人が突然の塵禍で死んでしまう。

そんなこともあり逃げなくてはいけない状況になるのだが。

色んな所に色んな秘密とか仕掛けがあり、なにそれと思っているうちに話は進むのである。

300ページ足らずの本なのだが三時間では読めなかった。

読みごたえも満足感もあった。
この著者の「火狩りの王」を読もうと思いつつ、今に至っている。
やっぱり読もうと思ったのだった。


乾石智子さんの「写本師」とは世界観が全然違っていてこれはこれで面白い。いろんな写本師が出てくると良い。







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nobuko fj
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