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ナントのゾウ (詩)

   
霜降から冬至のこの部屋での日差しは初めて体験する
部屋の中が日時計
時間も季節も告げてはいる

日照 日射 南中高度  
そんな言葉をつぶやきながら半日過ごす
時間も日差しもすり抜けてゆく
手元が暗くなるのが早すぎる
キーボードは白い方が良かったのかと今更悩む

夜中に見るロワール川の夜明けは
私に時を告げるものではない
川下の町ナントにずっと住むゾウの映像はどの季節のものなのだろうか
ゾウは声を挙げながら水を撒く ゆっくりと
憎しみと慈しみ
どちらを強くからくりの瞳に宿らせているのか

夜更け 夜更かし 午前三時
我が家の近くにも川があったら と考えて
公園の中に水源があったことを思い出す
閉ざされて見えない水源から流れ出た水が
確かに小川を作っていたらしかった




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