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詩の勉強会

詩の勉強会は、無理やりみたいに参加した。
前回の直しだけなので気が楽だった。
これでよい、と言われた。

前回「一連」あったところを削ったのでそのまま一連にしてしまったが
ここは連を作らなくても良いのではという意見が出て
ちょうど一行空いているそこに
何か言葉を付け足して一連にすれば という。
例えば「車に乗るのは今日が最後」とかですか、と聞いたら
「いやそれでは言葉が強すぎる」と
「強すぎる」とちょっとどうしたらいいんだ という顔になった私を
ちょっと面白そうに見ている方数名。隣の人とこれなら強くない?
と確認しながらできたのが、以下の詩である。


ドライブ         

スポーツセンターを出ると踏切がある
三本の電車が通るその時間は
踏切はいつも閉じている

車でなければ通らない線路際
父のいた施設の前を通る
赤い車で来るのは今日が最後
ショッピングモールももう来ない 
シロップを入れないで と注文したラテを飲む

平塚の美術館に行ったのは前の車
小田原や箱根を走り回ったのはその前の車
富士山や西湖に行ったのはさらにその前
とつおいつ考えながら、
たった二キロの道を走らせて帰る

横に広がる杉林は
下草は刈ってあるが蔦に巻かれた木ばかりだ
もう一曲聞いてから帰ろう
来週 スポーツセンターには電車で行く
窓の向こうの空ばかり見ながら

  ☆太字の所が最後に自分で足してみたところ。


いつもより時間的な余裕があり
いろいろな人が発言した。
一言一言に、なぜその言葉を選んだか を明確に言える人が多く
自分に足りない物だとわかった。
ことばの強い弱いも、言われなくてはわからない自分。
そういうことが何となくできてしまうのが才能なんだと思ったりしていたが、そうではなくて、みんな吟味しているのであった。

他の人の詩で「赤い」という言葉を使うということになったが
それも「そこは平仮名ですよね」と念押しがあったりして面白かった。

現代詩手帳「現代詩年鑑」に名前が出てくる人もメンバーにいる。


あと三週間で次の詩が書ける気がしない私である。
分け入っても分け入っても、密林である。
どこを切っても良いが
切り方は熟慮しなければならない。



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