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絵画と美術館に造詣が深い二人の話なので、とても興味深かった。 特にヤマザキマリさんが好きになる画家が、ユニークだった。 美術館に行きたくなった。
母の名前と自分の名前を一字ずつとって名付けた鳥の名前。 それがトワである。母は時枝 娘は和音。 鳴かないカナリアを飼っていた。 飼うことにずっと反対していて、鳴かないカナリアに意味はあるのか とつい言ってしまう父親は指揮者。 いつしかチェロを辞めてしまった自分も鳴かないカナリアであり 主席チェロ奏者を辞めてしまった母も鳴かないカナリアである。 カナリアはいなくなってしまい、母もいなくなって 母のチェロだけが残されて。それが小学校高学年。 母のいなくなった理由もわからず混乱し
出だしが、「夜の底の川」という架空(?)の本の抜粋から入る。 この物語では 努力してもうまくやれない店員がいる店の店長「清瀬」と とても大切な友達の秘密を守ろうとして清瀬とすれ違う松木がいて その松木と秘密のある友達「樹」が、 意識不明になるほどの怪我をしたことから話が始まっている。 二人の喧嘩による怪我ではなく、第三者がいたことが後にわかる。 刑事事件である。 書字障害かもしれない、手紙を書けない樹のことを、松木がかばって 隠していたことを 合鍵を持っていた清瀬が松木の
「家庭用安全坑夫」を返し、もう一冊を読み終わろうとして 図書館に行った。予約した本も受け取りに。 「川のほとりに立つ者は」は無事読み終えた。 ページ数の少なさに喜ぶなんて、読書嫌いみたいだ。 予約したときには、待ち人数は色々でも 一気に何冊も手元に来てしまう事もある。 今回は、何と三冊。 「レーエンデ国物語」の二巻と三巻がいっぺんに来てしまった。 絶対6人位の待ち人数だったはずなのに、みんなキャンセルしたのかも。 または待ちきれなくて買ったのにキャンセルを忘れていたのか。
図書館はよく利用しているが 予約している本を受け取りに行くだけ ということが多くなっている。 予約本だけが置いてある小さな区画で、どんな本があるのかを眺めるのも楽しみである。 今予約しているのは10冊くらい。 noteで見かけて面白そうだと思って予約する本ももちろんあるのだが 手元に来るのは三か月後だったりするので 誰の記事を読んだのか、またはテレビなどの情報か、わからなくなることのほうが多い。 今予約している本の中にある「レーエンデ国物語」の二巻と三巻。 三巻目を予約し
主人公の女性小波の感じ方の描写がものすごく細かい。 まるで思春期の女子か と一瞬思い、 ああ、思春期の感覚をずっと引きずっているということだと気づく。 母子関係のゆがみからくる神経症の発作のように、 デパートの柱の上に自分のシールが貼られているのを見つけ、 それを責められると怯え逃げ出し その何日か後「尾去沢ツトム」をテレビの中に見つける。 「尾去沢ツトム」は母から「お父さんだ」と聞かされていた人だが 実際は、人ではなく、鉱山の跡地を博物館にした場所にいる、 当時の生活を
「かぎのない箱」には七つのお話が収められている。 北欧のお話である。 「どこでもないなんでもない」という話がある。 タイトルの言葉をいう妻がいて くよくよしないで寝ろというのだ。 王に無理難題を吹っ掛けられている夫オンニは単純にも 妻イハナになだめられて寝る。 イハナはそこから夜通し「機織り」をして、難題の布を織る。 それを持っていくと、さらに難題を突き付けられるというパターンの話だ。なぜなら、王の望んでいるのは美しいイハナなので。 最後の命令が「どこでもない国に行ってな
(少し加筆) 読み終えてしまった。 頭の中は「異常」祭りである。 科学的には解明のしようがないことではある。 だから 何人かの人物、片割れが自殺した作家とか ガンと闘うことになる機長とか 何組かのカップル 子ども。劇団員。 それぞれとのやりとりを通して話が展開する。 尋問する人のほかにカウンセラーがつくのは、時代の変化か。 その人たちがもう一人の自分に会った時にどうなるか。 また、飛行機に乗っていなかった家族との関りなども複雑である。 帰ったら、子どもを持とうと話してい
昔読んだショートショートの中に 地球が太陽を周る軌道の反対側に、もう一つの地球があって まったく同じ顔、同じ名前の人たちが住んでいるというのがあった。 宇宙に出て帰ってきた宇宙船が、反対側に着いたのだ。 無事「自分たちの地球」に帰ることになってすれ違う宇宙船を見ながら 「あいつめ俺の妻を」とか思う、というオチであった。 その作品の頃には「マルチバース」なんて言葉はなかったのではないかと思う。多元宇宙ということばはあったかもしれない? 小松左京は、とんでもない設定の中で 実