ネーミングを考える際の自社のビジョンと認知度向上の折り合い方
【今日のポイント】
スタートアップから子供を持つ親まで、ネーミングはつける相手の将来に資するものにしたいという想いは共通していますね。
企業名や事業名では、自社のビジョンや提供価値を伝えることと、認知度向上(実績がまだない時点での、他社との差別化)を両立させることが必要ですが、
自社の価値創造ストーリーから名称を考えることは多くの企業でも採用している方法であり、今後も有効な方法だと思います。
そこでは、経営デザインシートなどの知的資産経営のツールも利用できるものと考える次第です。
1.ネーミングを考える際の、ネタ探し
スタートアップや自社の新規事業などのビジネス面でも、子供が生まれる際につける名前のようなプライベートでも、ネーミングというのは中々悩むことが多いですね。
プライベート面では、以下のように、ネットを利用したネーミングのネタ探しも始まっているようで、なかなか興味深く感じました。
● 型にはまらないネーミングの傾向 The Trend of Unconventional Naming
https://matt-english.com/podcast/20230623
2023/6/23の1日5分ビジネス英語の記事。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
日本で言えば、字画なども気にする際にネットで確認することも多いかと思いますが、上記の記事や、最近のスタートアップが自社のネーミングの由来を紹介している様子を見ると、
「生まれてしばらくの間の名前の影響と、その後の人生で得る経験と実績の影響との相関関係や、いずれが重要かを分析する努力が今後もネットやAIを活用しつつ続く」事を予想しました。
子供の名前というのは、実績はないが可能性は多くある点でスタートアップと共通するところがあると感じます。
子供を持った親もスタートアップの創業者も、いずれはコカコーラやアップルの様に、実績の積み上げでブランド力が高まる方向に行くとしても、
その実績のきっかけ作りとしてのネーミングも、目立つように奇抜なものが良いか、普通(わかりやすさ)を重視するかは別としても大変気になる気持ちはよく分かるだけに、
今回の記事の様にネーミングのネットでの検索・アドバイスや、AIチャットなども利用される一方で、
生まれた時の名前がいつまで影響するのかの分析のニーズも相変わらず続き、そこでもAIなどの活用が広がるものと感じた次第です。
2.自社のビジョンと認知度向上の折り合い方
自社や新規事業の名称を考える上では、やはり、自社のビジョンや将来像を表す名称をつける事が多いと感じています。
また、そのビジョンや将来像を考える際に、自社の存在価値(社会や顧客への提供価値)から考えることもやはり多いかと思います。
ただ、その提供価値などがSDGsのように普遍的になものですと、どうしても他者と共通する所が出てくるため、差別化が難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
また、他社に似た名称ですと、商標などの知的財産権の面でも、第三者の権利の範囲に入ってしまう可能性も増えてきます。
かといって、他には無いようなユニークな名称をつけるというのも、目立つという意味での認知度向上にはなっても、自社のビジョンや提供価値を伝え、共感してもらうというブランド構築には繋がりにくくなるかと思います。
この、自社ビジョンを反映し、かつまだ実績が無い間の認知度向上(他社との差別化)という点では、
自社の価値ストーリーを考え、そのストーリーに沿ったネーミングを付けるということが、
例えばSDGsのような普遍的な価値でも、その価値をどう実現して、どのように社会や顧客に届けるのかという流れは、それぞれの会社の独自性が現れるため、
まずは、自社の現在から将来に向けた価値創造ストーリーを描いて、そこからネーミングを考えるという方法を取っている企業も多いと感じていますし、これからも有効な方法だと思います。
そして、この価値創造ストーリーを考える上で、経営デザインシートのような知的資産経営のツールもお役に立つものと利用の検討をお勧めする次第です。
知的資産経営のツールについては、私のブログ「知的資産経営で中小企業を元気に」( https://chitekishisan.com/ )のヘッダーの、
『知的資産経営とは(概要説明)』
https://wp.me/P9D2bS-c
『知的資産経営関連リンク集』
https://wp.me/P9D2bS-X
に経済産業省などが公開している各種ツールの入手先を紹介していますので御覧ください。
なお、ネーミングとブランドやイノベーションの関係については、以下のブログトピックスもご参考になれば幸いに存じます。
『自社のコンテンツとビジョン・ブランドの一貫性』
https://wp.me/p9D2bS-2bj
『自社のブランドとイノベーションを知的資産で連携させる』
https://wp.me/p9D2bS-28e
【今日のまとめ】
・子供の親もスタートアップも、実績が無い時点で将来の可能性を広げ、成長に貢献するような名称をつけたいという想いは共通しており、また、ネーミングのネタ探しでネットなどを利用するケースも増えている。
・ネーミングは、ブランディングの面からは、他社との差別化と、自社のビジョンや提供価値の伝達の両立が必要。
・提供価値は普遍的なものでも、その提供方法を含めた価値創造ストーリーは各社独自性が出てくるので、そこからネーミングを考えると良いことも多い。
・価値創造ストーリーを検討するうえでは、知的資産経営のツールも利用できる