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「価値観の多様化」に困惑しないための、相手を理解するコミュニケーション技術 Part2
※このPart2の前に、ぜひPart1をお読みくださいね。
1.前回の振り返り
価値観が多様化し、分断が激しくなっている世の中で、どうやって価値観の違いを克服できるかが問題です。chatGPTでも、その克服に向けて、コミュニケーションの促進を提案してきます。
相手を理解するためのコミュニケーション技術には、「共感技術」と「質問技術」があります。スティーブン・R・コヴィー博士の『7つの習慣』でも、コミュニケーションの基本原則は、まず相手を理解することが大切だと説いています。
相手を理解するための方法である「質問技術」は、
「ⅰ質問の基本技術」
「ⅱ質問の応用技術」です。
「ⅰ質問の基本技術」の中には、『具体性の追求質問』があります。
これは、相手の発話の背景や意図を具体的に質問する技術で、
「❶-1:非特定」と「❶-2:特定」の2つの方法があります。
「❶-1:非特定」は、「具体的にはどういうことですか?」「と、言うと」「と、おっしゃいますと」などと質問する方法です。
「❶-2:特定」は、5W3Hで質問する方法で、注意点として、5W3Hの中のWhy、つまり、「なぜ」という質問は相手に問い詰める形になることがあるので、適切に使い分けることが大切です。
2.網羅性の追求質問
「ⅰ質問の基本技術」として、『具体性の追求質問』の他に、『網羅性の追求質問』があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1682301233069-iwDIVuu5eN.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1682300967880-vrdATWWLG3.jpg?width=1200)
相手の発話に対して、『具体性の追求質問』で、具体的に問う質問を行った後、もう具体的に質問することが無くなった時、次に何を質問したらよいか、戸惑うことがあります。
この時に、使える技術が『網羅性の追求質問』なのです。
3.『網羅性の追求質問』のフレーズ
![](https://assets.st-note.com/img/1682301386390-tidO7zuJQL.jpg?width=1200)
上の図で、女の子が「先日の連休に横浜に行ったのですよ」という発話に対して、おじさんが『具体性の追求質問』の特定を使っています。
女の子の、質問に対する回答に対して、おじさんはもう具体的に質問するモチベーション、関心が無くなってしまいます。
この時、おじさんは次に何を言ったらよいでしょうか?
この時に使えるのが、『網羅性の追求質問』です。
![](https://assets.st-note.com/img/1682301992070-U8MDs0yZw4.jpg?width=1200)
『網羅性の追求質問』は、あるテーマについての相手の発話に対して、その発話以外の内容を網羅的に引き出す質問技術です。
フレーズの例としては、
…ということについて、他にはどのようなこと/ものが、
➤起きてるのですか?
➤起こったのですが?
➤ありますか?
➤あったのですか? など となります。
※” …”には、今対話しているメインテーマを入れることを忘れないでください。
先のおじさんの『網羅性の追求質問』の例としては、
➤この連休で横浜の他にどちらに行かれたのですか?
➤赤レンガ倉庫やワールドポーターズの他に、横浜のどちらに行かれたのですか?
になりますね。
次の図👇は、研究会で使った練習です。
![](https://assets.st-note.com/img/1682302727161-TZer9iTHpC.jpg?width=1200)
上記図👆の右下で、「毎日腹筋100回やっています」という相手の発話に対して、質問者は、
➤さらに「熱中していることで、他にはどのようなことがありますか?」という『網羅性の追求質問』の質問もできます
➤または、『具体性の追求質問』の特定を使いで、「腹筋はいつから行っているのですか」という質問も可能です。
今流行しているchatGPTへの質問でも、この『網羅性の追求質問』は使えます。
以下に例を示します。
chatGPTに、下鴨神社の楽しみ方を質問したら、4つの楽しみ方が回答されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1682303385402-95SCWcDY1j.jpg?width=1200)
そこで、さらに『網羅性の追求質問』を次のようにしてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1682303632290-1DZBVdQYEq.jpg?width=1200)
すると、さらに3つの回答👆がありました。
4.今回のまとめ
『網羅性の追求質問』は、あるテーマについての相手の発話に対して、その発話以外の内容を網羅的に引き出す質問技術です。
フレーズの例としては、
…ということについて、他にはどのようなこと/ものが、
➤起きてるのですか?
➤起こったのですが?
➤ありますか?
➤あったのですか? など
5.次回Part3のお知らせ
「ⅰ質問の基本技術」である『具体性の追求質問』と『網羅性の追求質問』を使えば、相手の状況をある程度把握することができます。
上記図では、女の子がまず先に「先日の連休に横浜に行ったのですよ」と、相手からの発話が先行して行われています。
しかし、相手からの発話が先行しない場合もあります。
つまり、相手が無口の場合です。
この時に、こちら(質問者)からどのような質問をすべきか?
これは「ⅱ質問の応用技術」になります。
次回は、この「ⅱ質問の応用技術」について共有します。
(つづく)