【読書レポート:CONTENTS BORDERLESS(コンテンツ・ボーダレス)】あなたらしさが最もグローバルになる
遊び学者・原田光が読んだ本を1000字程度でざっくり紹介するマガジン「原田書評店」
今回読んだ本は『CONTENTS BORDERLESS(コンテンツ・ボーダレス)』
カン・ハンナさんが書いた本です。
コンテンツがプラットフォームを凌駕する時代
この本は、近年世界的に目覚ましい活躍をしている韓国コンテンツ(BTS、イカゲーム、梨泰院クラスなど)を取り上げて、その成功の秘訣や手法などを解説しています。
その冒頭で、今の時代は「コンテンツがプラットフォームを凌駕している」と語られており、えらく納得してしまいました。
つまり、これまではTwitterやYouTube、Netflixなどプラットフォームが力を持っていました。しかし、今はもはやその中のプレイヤーたちやコンテンツがそれ以上の力を持っているということです。
例えばYouTubeで動画を上げていたトップクリエイターが別のプラットフォームに乗り換えたら、数百万・数千万の人がそちらに流れてしまうという現象が普通に起こるということ。
これまでは第二のGoogleや第二のAmazonを目指して、いかにみんなが使うプラットフォームを作ることができるか?というのに躍起になっていた時代から、いかにみんなが熱狂するコンテンツを作れるか?という戦いに代わってきたことを実感しました。
日本らしいものが、あなたらしいことがグローバルになる
僕がこの本を手に取ったのはシンプルに全世界に売れるモノを作りたいからでした。
現在、友人と物販の新会社設立に向けて商品開発が動き出したところです。
そして、さらに他方では遊び学者として世界中の遊びものやスポーツ道具で遊んでいたら、やはり自分でも作りたくなり、今はトランプを超える全世界で最も売れるカードゲームの開発をしています。
そうした中で日本ではなく、意識を世界に向けて「どうやったら世界中で売れるのか?」「海外の人はどんなものが好きなのか?」ということを延々考えていました。
何かの参考になればとふと手に取ったのがこの本。
読んでいくとこんな問いが投げかけられました。
「最もあなたらしいものは何ですか?」
韓国には「最も韓国らしいものが最も世界的になる」という有名な言葉があるらしい。
僕らは「日本はもうダメだ!これからは世界だ!」と遠くの何かボヤっとしたものを追いかけすぎて、自分たちの側にある自分たちらしい大切なものを見つけられないでいるのかもしれません。
本当は世界中の多くの方からしたらそれが一番輝いて見えるはずなのに。
日本らしさ。日本人らしさ。原田光らしさ。
もう一度ちゃんと足元を、目の前をちゃんと見つめ直そうと思うキッカケをくれた本でした。