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2022.10.3 岡山県 王子ヶ岳
岡山県で山登りって、どんな所があるの?と、県外に住んでいる人は思うだろう。
しかしこれがまた、、、いい場所があるんですよねえ。
この日に出向いたのは岡山県玉野市と倉敷市の境に位置する、王子ヶ岳という小高い山というか、丘というか。
標高は最高地点で235mととっても低い山だ。
しかし見どころはなかなか満載の山なのである。
この場を借りてプレゼンさせて頂こうと思う。
王子ヶ岳の見どころ
その①
瀬戸内海の真ん前に面しているため、海を見渡す事ができ景色が素晴らしい
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その②
珍しい形をした奇岩が沢山あり、クライミングエリアとしても有名
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その③
山頂にはお洒落なカフェがある
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その④
猫にいっぱい会える
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などなど。
海抜0m地点から登り始めるため、車でのアクセスが良い事も利点の一つだ。
(実は山頂へも車でアクセス出来るのだけど)
と、先にいいとこ取りをしてしまったが、改めてこの日登った道のりを紹介したいと思う。
まず、渋川という海岸のそばにある駐車場へ車を停め、ほんの3分ほどで登山口へ到着。
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最初はしっかりとした階段が続き案外登り坂が続くので、意気揚々とスピードをつけて出発してしまうとすぐに息が切れてしまうのがこの道の常である。
標高が低いからといって、侮っては行けない。
しかし、合間に見える瀬戸内海の景色を眺めるという口実で足を止め、切れた息を整える事が出来るという登山者のメンツも保ってくれるなんとも優しい山、王子ヶ岳。
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瀬戸内海は船で浮かぶのもいいし、眺めるのもいい。
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王子ヶ岳は瀬戸内海国立公園に指定されているとのこと。
身近な山も誰かが管理してくれているのだと、その山に登って初めて知るといった事が多々ある。
整地された階段を登り切ったら、気持ちのいい平坦な道が続く。
この日は10月頭で、歩いた道も木が茂り日光は直接当たらない場所であったが、残暑が厳しくまた標高も低い為気温が高く汗だくになりながら登った。
出発時間が10時ごろと遅めで、昼間に近かったため気温が高かったという事もある。
山登りの際の服装は本当に難しく、その日の気温、季節、標高、風通しはどうか、その人の発汗量はどうか、など様々な要因を考慮した上で選ぶものなので、やっぱり自分自身の積み上げた経験と、好みといったものも大切な決定要素になってくるのである。
まあ、まずは難しく考えず近場の低い山に登ってみるのが1番。
迷わないよう誰かと一緒に、地図も忘れずにね!
山頂手前に出てくると、ここで王子ヶ岳名物、ニコニコ岩の登場である。
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見慣れた私にとってはどう見てもニコニコしているのだけど、、、
これを見たら分かるかな。
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優し〜い顔の、彫りの深い人が横を向いてニコニコしてるね😊
この王子ヶ岳にはこのニコニコ岩だけでなく、その他にも沢山の奇岩が存在し、ボルダリングをするために全国各地から人が来るのである。
そして、この山には猫が多い。
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みんな避妊去勢を施してある桜猫たちで、ボランティアの方々がご飯の世話、排泄物の世話、病気の世話などをして下さってるという。
この山には、猫を捨てに来る心無い人たちの来訪が後を絶たないのだとか。
可愛さと癒しの裏側を垣間見た。
この子はとても人慣れしていて気軽に触らせてくれた。
しかし野良猫たちはどんな菌を保有しているか分からないので、可愛がった後には必ず手を洗う事は徹底したい。
さて今回の山行も寄り道が多いがもうすぐで山頂へ到着である。
と言いたいところだが、、、、
山頂よりも、今回のメイン目的地!
瀬戸内海を見渡す事が出来る、belk(ベルク)というカフェを何よりの楽しみに汗だくになりながら登ってきた。
王子ヶ岳パークセンターの奥へ行くと、テラス席の横に店内への入り口がある。
店内の壁一面にある窓からは気持ちのいい日光が降り注ぎ、どこか非日常な、とってもお洒落な空間。
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白と茶色と少しの緑、モダンなようなクラシカルなような。
"The 丁寧な暮らし" な空間である。
そんなところに汗だくになった登山者が来てちょっと場違いかな、、と思ったが、優しい笑顔のお店の方が温かく出迎えてくれた。
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この景色を素晴らしいと言わない人はこの世に存在するのだろうか?
それとも、労力をかけて山を登り見晴らしの良い場所から海を眺めて、喉をわざと乾かしこのカフェラテにありつけた身だから素晴らしいと感じるのか?
もはやそんなことはどうでもいい。
しかし、一度は足を運んでこの景色と空間を体感してもらいたい、そんな場所である。
沢山メニューを注文したわけでも無いのに、いつの間にか1時間半が経っていた。
いっそのこと、このまま夕陽が見たいなあという思いに駆られつつ店を後にすることにした。
まだギリギリ太陽は上の方にある。
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王子ヶ岳の三角点はとても分かりづらく、ん?どこが三角点??と探し回らないといけないくらいである。
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この雑草に紛れて三角点があった気がするが、良い景色や美味しいカフェでの食事でピークハントがどうだとかそんな事はもうすでにどうでも良くなっていた。
山頂からは後戻りするのではなくそのまま進んで行って、最短距離で車道まで戻れるコースを急ぎ足で駆け降りた。
まだ昼の14:30。
こんなに充実していたのに、まだまだ休日の時間を楽しめる余地があるというのが山登りのいいところのひとつだ。
この王子ヶ岳は、昼間に来てカフェでゆっくりするのもよし、クライミングに挑戦してみるのもよし、海に沈むサンセットを眺めにくるのもよし、な見どころいっぱいの山なのである。
いつも遠くから眺めていた、なんとも無いと思っていた山が実はこんなに楽しい山だったと、登ってはじめて気付くものなのだと実感させられた。
次は夕陽を眺めに来ようと思う。