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無職日記

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無職の日記という名の散文です。暇なので考え事が多くなったため、自分の気持ちの整理のために綴っています。
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#がん

無職日記98 疑惑

また親父の内臓に疑惑がかかっている。

がんを治療して退院してからも、週に2回ほどの定期診断に行っている。そして今日肝臓に何かが見つかったらしい。血液検査では異常値が出ないらしく、でもMRIとかには何かが映っていると。そんな第一報が母親からの電話で伝えられた。うす暗い声で「また何か見つかった」と。

こうなると面倒くさいのが母親で、いらん心配と文句ばかりを言い始める。「なんですぐに見つからなかった

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無職日記87 通院

前回までで備忘録も兼ねて親父のがんについて書いたわけですが、この病院通いの中で一つだけ良かったコトがある。

無職なのでいつでも車が出せるのだ。

あとあんまり「仕事どうすんの」って言われなくなった。それがいいかは別として、昨日の今日で車が必要だったりするコトもあったので、適宜対応できたのは良かったと思う。実際、転院したがんセンターは車じゃないと行きづらい場所で、電車でも行けるけど交通費を考えると

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無職日記86 退院

■前回までのあらすじ
手術終わった親父からLINE!

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手術から約2週間経った水曜日。珍しく親父からLINEが入った。なんぞやと思い開くと「明後日退院になった」とのコト。おお決まったんだね、と返すや否や、今度は母親から同様のLINEが来た。朝イチに車で迎えに行けるかどうかの確認だった。行けるよ、無職だから。

そしたらそれからほどなくしてまた親父からLINEが入った。

「退院が明

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無職日記85 見舞

■前回までのあらすじ
親父は膵臓がんでした!手術はざっくり10時間!

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親父の手術が終わった翌日、早速母親が1人で病院へ見舞いに行った。ICUに入っている期間は手術日含めて3日と、意外と短い。前日の朦朧とした様子から、僕らが来たコトは覚えていないだろうと踏んでいたのだけど、どうやら覚えていたらしい。

さらに翌日、僕、母親、母親の妹夫婦とで見舞いに行った。ICUの外を出るコトがOK

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無職日記84 手術

■前回までのあらすじ
親父が膵臓がんでした!手術の難易度上がるかも!

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「謎の液体」の検査が翌日に終わり、結果は「リンパ液」というコトがわかった。悪い液体ではないので、手術の難易度が少しだけ下がった。あとは体力を戻すために栄養を多く入れるのが次のステップ。太い血管に栄養を注入するのだそうだ。最初は首のあたりと聞いていたけど、最終的には腕から長い針を入れたらしい。それが心臓のあたりま

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無職日記83 転院2

■前回までのあらすじ
親父が膵臓がんでした!がんセンターに転院!

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というワケでトントン拍子に転院が決まった親父。転院前の病院は朝イチで出るコトになったらしく、母親と車で迎えに行く。診てくれた担当の先生、看護師さんに挨拶して、いざがんセンターへ。膵液を出すために入れた管が車の揺れで痛むようだけど、こればっかりは我慢してくれ。

がんセンターの入院棟に着くと、ロビーには入院前の人達が

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無職日記82 転院

■前回までのあらすじ
親父が腹痛で入院!がんかもしれない!

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「君の膵臓をたべたい」のヒロインが「わたし、死ぬの!」と叫ぶ。リビングの空気が重い。空耳アワーを見ていたらエロ映像だった時と同じような気まずさがある。悲観する母親とは裏腹に、僕は比較的フラットな感情だった。というか楽観も悲観もしないコトにした。

親父が入院してから、色んな人の話を聞いた。お兄さんが膵臓がんで、見つかった

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