明けましておめでとうございます。
元旦早々の投稿が何か清々しく感じる。
今年もユングを読みながら、ユング心理学を底にした経営手法や漫画・アニメの深掘りに進んでいきたい。
それでは、昨年末の続きにいく。
『死者への7つの語らい(1916)』
『死者への7つの語らい』の邦訳は、「ユング自伝2」の付録として収録されていて、これはユングの死後に発表された著作になる。
今回はその第Ⅲ章の感想メモになる。
この第Ⅲ章はユング自伝2付録Ⅴに入っていて、2世紀の初期に実在したグノーシス派の教父バシリデスが、エルサレムから帰ってきた死人たちに教えを説く形式で書かれている。
河合隼雄著「ユングの生涯」によるとこうある。
ユングの心理学的基盤が完全に出来上がったものと評されるので、この付録Ⅴを本編より先に読んでいる。
◎ユング自伝付録Ⅴ、Ⅲ章
Ⅱ章では、私(教父バシリデス)によって、死者たちの信じている神の上位にアプラクサスと言う神が、彼らの神と悪魔の上位にあると説かれて、死者たちがパニックに陥った直後から始まる。
ここで登場する死者とは、ユング自伝2付録Ⅴ、I章で登場したエルサレムへ行ったが、探し求めていたものが見つからず私(教父バシリデス)の家に訪れて教えを請うてきた者たちである。
こんなふうに始まる。
至高の神、アクラプラスについて説明が始まる。総括した短い文章でまとめることは困難。章全体の文章も長くはないので、逐次感想をつけていく。
それでもあえて言うなら、人智を超えた説明のつかない畏敬、畏怖を抱く何か。とでもしたい。
だから、人から見ると混沌としていて理解できないところもある。ずるい逃げをつけた。
私の個人的イメージであるが、運命のようなシナリオを、あなたや私を含めてキャスティングし、舞台を作って進めていくものがあるような気がする。
ガチガチに硬直しているのではなくて、そのシナリオは、役者も参加して演出の範囲で変えられる自由度もある気がするのである。
また、本の内容に戻ろう。
人類の2024年初頭の科学技術のレベルでは、知らないことの方がいまだ広大だ。人体の五感やそれを補完、延長する観測技術、測定技術をもってしても、未来永劫アプラクサスを知ることはできないだろう。
一皮剥けばまた新しい謎に出会うことのなるに違いない。宇宙論では、正体不明のダークマターやダークエネルギー、真空エネルギーを仮定しないと銀河系は散り散りになってしまうとか。以前はそのようなことは全く知られていなかった。ブラックホールすら絵空事として扱われていた。
だから、知ることは難しい。と、納得できる。さまざまな分野で同じように次から次へと新しい事実が判明してくるからだ。観察される事実や新しい解釈や理論を受け入れず、いつまでも天動説にこだわるような轍を踏むようでは取り残される。
ユングはここで、アプラクサスを、神と悪魔の上位に位置づけているのだからわかる説明。
私には、いのちが善より小さくとか弱いは意味わからない。だから、この文の言いたいことはわからない。私は、アクラプラスは太陽を遥かに凌ぐエネルギーをもっていると思う。
このあたりの説明も、神と悪魔の上位に位置するのだからわかる説明。
ただ、”虚空の永遠の吸い込み口”とはブラックホールのことだろうか?
意味のわからない文、例えば「空虚と結合する満ちたるもの」と言うものもあるが、混沌とした感じを受ける。私のようなものは理解できないところがあるのが、それがアプラクサスと納めておこう。
この段落を読んでいると、千手観音とか阿修羅の像をイメージする。あれらも人に近いイメージだが、アプラクサスは人の想像を絶するもっと潜在変幻なものだろう。
そして神に何か願えば負債も追うようなことになると言いたいのが続きになる。一言二言で説明できない概念なのでこんなにさまざまな説明がされるわけだろう。むしろわかりにくくなる説明もある気がする。
例えば、火を使うことを覚えてから、さまざまなエネルギー源を人は手にしてきたが諸刃の剣であることを言っているのだろう。
「考える実在」と「ありのままの存在」は私がつけた訳語。クレアツールとプレロマではなかなか腑に落ちなかったので訳語を考えたわけ。
他には、河合隼雄先生が、怖れとか恐れ、畏れを使い分けているが、その違いまでは私には理解できていない。
ユングを詠む(009)から再掲。
そして第3章の最終文。
未完のままとはアプラクサスの一面だけを教えられ、影の面を知らされなかったことかと私は解したがどうだろうか?聞いてないよぉ、習ってないよぉといった憤慨だろうか。
今回はここまで。
<<<<投稿済の内容>>>>
読書会みたいなことをしてみないかとの要望をお受けしました。ユングのどんな本がいいかちょっと考えてます。
今回もかんじる。ユングのいう「アプラクサス」とは、梵我一如のレベルのことではないかと。梵我一如も探究してみたくなる。
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こころざし創研 代表
ティール・コーチ 小河節生
E-mail: info@teal-coach.com
URL: https://teal-coach.com/
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