マガジンのカバー画像

どこかでだれかときいたはなし

34
劇作家・美術家の私道かぴが、作品づくりのために行った先々で聞いた話、経験した出来事について書いたコラムです。毎週水曜に更新します。(2024年1月~)
運営しているクリエイター

#言葉

どこだれ㉗恐山へ行ってきた

少し前になるが、青森県の恐山に行ってきた。「イタコの口寄せ」が有名で、「人は死ねば恐山に…

どこだれ㉔ 100年という時間をつなぐこと

  最近、気づけば100年という時間の流れについて考えている。 きっかけは、米津玄師の『さよ…

どこだれ㉒ 知らない人に話かけること

新潟での滞在が続いている。最近気づいたのは、道を聞いても、バス乗り場を聞いても新潟ではな…

どこだれ ㉑ もういない存在を語り継ぐこと

大学生の頃、他学部の授業によく潜り込んだ。ある日たまたま出たメディア系の授業に、ゲストス…

どこだれ⑬ 地元神戸、知らなかった街のこと(前編)

「お洒落なところでいいですねえ」。 これまで出身が神戸だと伝えた時に、最も多かった返事だ…

どこだれ⑧聞き書き作品のプライバシー

どこかの土地に行って、そこに住んでいる人に話を聞き、聞いたエピソードを基に作品をつくるこ…

どこだれ⑥むこうの言葉でしゃべる人たち

昨年は縁あって、漁師と猟師に話を聞く機会があった。読み方はおなじでも、双方の職業はかなり違う。 私が会った漁師の面々は豪快な方が多く、たんと食べるし良く飲んだ。乗組員や漁仲間を大切にする文化ゆえだろう、陸に上がると昼夜関係なく飲み会が頻繁に開催される。顔を真っ赤にして大きな声で話す姿は、海の男のイメージそのものだった。 一方の猟師の面々は、どちらかというとお互いあまりつるまない印象だった。もちろん猟の際に協力するし捕れ高をわけあうのだが、頻繁に飲んでいる様子はない。聞くと、