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實川 真由美/アグリスリー

法人名/農園名:株式会社アグリスリー
農園所在地:千葉県山武郡横芝光町
就農年数:11年
生産品目:梨(40品種)、野菜(ミニトマト、カボチャ、じゃがいも、落花生、ほうれん草)、米(古代米含めて8種類)、観光農園の運営
HP:http://agrithree.com/

no.117

全国の女性農業者との交流を通じ、活躍の場を広げる農業女子

■プロフィール

 サラリーマン家庭に生まれ、高校時代から交際していた夫・勝之さんと20歳で結婚するまでは、アパレル販売員として勤務。

 2001年、パティシエを辞めて就農した夫について、自身も四世帯同居へ。3人の子供を保育園に入園させたタイミングで農業に本腰を入れる。

 地元農業振興会で女性部の立ち上げに関わってからは、単なる女性農業者の交流の場にとどまらず、食育アドバイザーやベジタブル&フルーツアドバイザーの資格を活かして活躍の場を広げる。

 2013年に始まった農業女子プロジェクトでは、中心的なメンバーとして、全国の女性農業者と交流を広げ、廃棄予定の野菜を利用したTシャツ作りなど、さまざまな取り組みを進めてきた。

 コミュニケーション能力が高く、アグリスリーの従業員とは、日頃から一緒に作業したり、1対1の面談の場をもうけるなど、風通しの良い職場づくりに努めている。

■農業を職業にした理由

 義父のケガがきっかけでパティシエだった夫が農家に転身。結婚後3人の子宝に恵まれたため、最初のうちは子育てしながら義父母の野菜畑を手伝っていたが、子供たちが保育園に入園したタイミングで、本格的に農業の道へ…。

 2016年に相次いで千葉を襲った台風によって、大量に傷モノになった梨がもったいないと、SNSを通じて知人や客からさまざまなレシピや活用法が寄せられたことに触発されて、2017年9月には、農産物加工施設を併設した農園カフェ「コミュニティCAFÉ&農家のキッチンLABO Farm to…」をオープン。

 ジャムやドレッシングなどといった商品開発に携わりながら、直売所での販売を通じて地元客と積極的に交流したり、マルシェや町内イベントなどを通じてPRに力を入れることで、着実に同園の梨や地元の農作物へのファンを獲得している。

■農業の魅力とは

 農家の嫁にならなければ、トマトやピーマンなんて大嫌いだったんです(笑)。でも新鮮な野菜に触れるうちに、食に対する考え方が変化し、その延長で食育アドバイザーやベジタブル&フルーツアドバイザーの勉強を始めました。小学校での食育の授業や料理教室に活かされています。

 地元の女性部会も当初は、農家のお嫁さんたちの息抜きの場だったのですが、せっかくなら町の役に立ちたいと思って、毎年いろいろな活動に挑戦しています。

 女性部会のなかには酪農家や植木農家もいるので、全員が作物を作っているわけではありませんから、2021年はみんなで同じサツマイモを作ってアイスクリームに加工し、役場職員向けに販売しましたが、アイディアが尽きないし、視野も広がります。

 田畑を耕すだけが農業ではなく、携わる人が働きやすくするのも、役割の一環だと思っています。

 そこで農作業中に事故にあった時の救急法を学ぶ勉強会を開いたり、従業員と積極的にコミュニケーションをとることで、誰もが働きやすい環境をめざしています。

 農業をやっていなければ決して会うことはない人たちとも知り合うことができました。農業によって私の世界は今も広がっています。

■今後の展望

 夫が経営を担当し、私は農場のイメージアップやファン作りに力を入れています。2017年に立ち上げた農園カフェには加工施設や食品OEM施設が併設されています。

 パティシエだった夫の念願でもありましたが、背中を押してくれたのは台風被害に遭った梨をどう活用するか、本当に多くの人がSNSを通じて支えてくれたことがきっかけでした。

 この時に寄せられたレシピやアイディアは、梨栽培のプロにも参考になることが多く、これがきっかけとなって、フードロス削減のために自社で加工施設を持つ計画が生まれました。

 おかげさまで、魅力的な会社のイメージが広がって、毎年多くの入社希望者がおりますが、若い従業員には農業の持つ3Kのイメージを払拭してもらいたい。農業を軸にすることで、何でも夢が叶います。

 例えば、農業がテーマの写真を撮ることはもちろん、身近なところではカボチャで筋トレダイエットなんていうのも、楽しいと思いませんか(笑)?

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