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【#わたしの本棚】わたしが全巻揃えたコミック3作品
こどものころ、筆者はジャンプ、サンデー、マガジンという、いわゆる少年コミック誌を読んだ記憶がありません。
マンガが嫌いなわけではなく、単に時間というコストをかける優先度が低かったのだと思います。
その証拠に、ゲーム雑誌『ログイン』『ファミ通』に連載されていた「べーしっ君」は毎回楽しみにしていたし、床屋などによく置いてあった「ドカベン」「こち亀」「ゴルゴ13」などは待ち時間に読んでいましたね。
その筆者が、全巻購入して繰り返し読んだコミックが3作品あります。
大きな引っ越しのたびに手放していき、今は1作品になっていますが、「手放さなかった順」がお気に入りの順位だということで、紹介したいと思います。
3位
細野不二彦「ギャラリーフェイク」
1990年代に週刊コミック誌『ビッグコミック スピリッツ』に連載されていたものが単行本化されたものです。
リアリティのあるストーリーをベースに、主人公フジタレイジの美術品に対する造詣と人間観察力に魅了されました。
国宝や重要文化財つまり役所のお墨付きは有り難いもの、という先入観を見直すきっかけもこの作品でした。
「国宝や重文に値する状態を保つことにコストをかけなさい。できなければ、国が管理しますよ。」と言って「民間所有の美術品を文化庁が巻き上げる口実である」とするフジタの考えは衝撃でした。
2位
横山光輝「三国志」
これはご存知の方が多いでしょう。不朽の名作です。
1990年代はじめに、たしか隔週のペースで単行本化されていた記憶があります。(オリジナルはもっと古いので、再文庫化でしょうね)
あるとき筆者が新巻を買って帰ると、学生寮で同室だった同級生が興味を持ちました。
ちょうど前半のクライマックスである赤壁の戦いの前後だったため、数巻をまとめて貸すと、たちまち三国志好きが一人増えてしまいました。
中毒性がある作品です。
1位
勝鹿北星・浦沢直樹「MASTERキートン」
今現在も全巻持っている1作品が、これです。
これも1990年前後に『ビッグコミック スピリッツ』で連載されていたものです。
ネタバレをしたくないのであえて細部を省略しますが、この作品の主人公平賀・キートン・太一は、日本という器には合わない。
そう思ったら世界に出るべきなんだというのが、この作品のテーマではないかと当時感じました。
(特に、日本で大学講師の職を得るためのドタバタのくだり。あれは30年たった今でもきっと同じだと、日大のニュースなどを聞くたびに思います。)
その後の、野茂英雄氏や中田英寿氏などのアスリートや、中村修二博士などの世界的な活躍を見ると、その理解は正しかったと納得しました。
そのほかにも、「毎朝新鮮なグレープフルーツジュースをグラス一杯飲め」「犬は地上で最強の生物だ」「天狗は漂着した西洋人」など、「人生で大事なことはマンガが教えてくれた」とさえ思える、重要なバイブルです。
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