【テクノロジーの話】【#最近の学び】家電製品アドバイザーの資格を取りたい(その2 挑戦)
前々週に続いて、家電製品アドバイザーの試験の話です。
その1にも書いたように、筆者の試験日は2023/3/12(日)でした。
今季(第44回)の試験期間は3/14(火)で終了しているので、どんな問題だったかを書いても問題ないでしょう。簡単にまとめたいと思います。
年代の偏り
これには、筆者が参考書として「2018年版」を使ったという背景があります。具体的には、その1をご覧下さい。
テストの実感として、もともと持っていた知識プラス「2018年版」の知識でカバーできた問題は、半分程度でした。
あとは、2018年以降の新商品や新しい規格を問う問題を、論理的に(消去法とか)で解けたものが半分くらいあってほしい。
例えば、WiFi6とかは確実に2018年にはなかったものです。これを機に勉強していきたいと思います。
また、これは試験には出ませんでしたが、無人飛行機(ドローン)と航空法に関する情報が「2018年版」に(ちょろっと)書いてあります。
しかし先日、たまたま専門の方と話した際に、「今は100g未満になっているよ」と教わり、やはり情報の鮮度は大事だと実感しました。
最新情報への偏り
ここまでは、謙虚に敗戦の弁です。ここからは、新しい知識への偏重に違和感を感じたオッサンの雑談です。
テクノロジーは進歩しても、旧世代の遺物を捨てられずに、そのまま使い続けられるケースも多いものです。
例えばテレビは、アナログ放送の時代のNTSCコンポジットカラー(YCbCr 4:2:0)が、そのままデジタルの動画圧縮形式(YUV 4:2:0)のベースになっています。(ただし三原色カラーで再現できる色は、BT.601(SD) -> BT.709(HD) -> BT.2020(4K)となって、変化してはいる)
さらに、パソコンの構造は、60年前のIBM System360から基本的にはほとんど変わっていない。キーボードで入力してモニターやプリンタに出力するわけだし、本体の中にはプログラムを動かす人(中央演算処理装置:CPU)や、データを記憶する人(DRAMやSSDなどの、半導体メモリ)がいます。
USB3.xなどの高速シリアル通信が普及した今でも、わざわざRS-232Cという懐かしい低速シリアル通信のプロトコル(UART)を実装した「USBシリアル通信」を使って、数ケタ遅い速度でマイコンボードにデータを書き込んだりしています。
生活家電に関しては、デジタルよりももっと変わっていないはず。
だから、2018年時点の知識でも通用するであろう、という楽観がありました。
よくよく考えてみれば、2年ごとの更新制なので、直近2年の新商品の知識をちゃんと仕入れているかをテストしたいのですね。
分野の偏り
流行りを取り入れたものか、問題作成者の好みによるものか。
今回はAV情報家電分野の3Dサラウンドオーディオに関する問題が、ちょっと多すぎるように思いました。
確かに、スピーカの物理的な配置とリスナーの位置関係に応じてリアルタイムに最適な音を再生するという目的で、3Dオーディオが近年GPGPUの有力なアプリケーションの一つになっているという事情は理解できます。
しかし、この分野の商品って、そんなに重要なんでしょうか?
感想
新しい機能を持つ新商品が次々と世に出てくるので、新しい知識に更新していく必要性は理解できます。
しかし、基本の知識を問わないまま、カタログスペックだけを暗記したアドバイザーが増産されてよいのか、という疑問は持ちました。
また、今回だけかもしれないですが、3Dサラウンドオーディオへの偏りも気になりました。
それよりも、3Dプリンターやドローンのような新しいカテゴリーの家電であるとか、eSports向けの高性能PCやVRヘッドセットの知識を問う方が、家電アドバイザーには相応しいように感じます。
特にプログラミングとの関係で重要なのはコンピュータですが、その知識が全くといっていいほど問われていなかったことが気になりますね。
筆者には、小学生にプログラミングを教える幻の計画がありました。実現していれば2020年4月からの予定でしたが、ちょうどCOVID-19による一度目の緊急事態宣言のため断念した、という経緯があります。
その経験から、デジタル初心者のご家庭に「どんなスペックのPC」で「どのプログラミング言語」を「どのように学習したらよいか」を教えられるスキルも、AV情報家電アドバイザーには必要なんじゃないかと、個人的には思います。
それとも、そういうことをChatGPTに聞けるスキルがあれば、不要なんでしょうかね?
今後の予定
合否の結果などは、以下の日程になります。自信はあまりないですが、楽しみです!
結果はこちら。