フリードマンを見直した一冊
本書の概要
本書のポイント
ミルトン・フリードマンといえば、(新)自由主義のシカゴ学派、マネタリストで「選択の自由」。経済学を批判する本を読むと、だいたいは批判の対象となり、さぞかし(新)自由主義的な視点から日本経済を語っていたのだろうと思いきや、あまりにまともな主張が多く、いい意味で期待を裏切る人だったのだろう。80年代に世界を席巻した日本経済特殊論に対する批判、90年代に入ってからの日銀批判、そして、ずっと継続して日本経済を観察して、実証的実務的な提言をずっとやっていた経済学者であった。
そう、じつは自由至上主義者かつ政策には踏み込まないフリード・ハイエクとフリードマンは混同しがちなのも本書を読んで気づいた。
また、インテリが評価しがちな共産体制に対してずっと批判的であり、自由経済を擁護し続けられるというのもというのも、フリードマンの偉大さの1つである。