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【ぶらり読書の旅】ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー<2021年1冊目>

こうさかです。(2020年読書リスト)
読んだ本の感想を、文字と音声でお届けします。

2021年<1冊目>の読書。

<書籍名>
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
(著者:ブレイディみかこ)

手に取ったきっかけ

『書籍:ビジネスエリート必読の名著15(著者:大賀康史)』の中で紹介。
ビジネス書グランプリ リベラルアーツ部門賞

本の概要

英国で「ホワイト・トラッシュ(白い屑)」と差別語で呼ばれる、白人労働者階級が通う中学校に進学した息子。差別や格差で複雑化した友人関係について相談されるたび、様々なことに気付かされる。
息子や友人たちの中学校生活を親目線で綴ったストーリー。

本の要約サイトflierより。

印象に残った内容

①多様性の理解に必要な能力「エンパシー」

世界中で起きているいろんな混乱を僕らが乗り越えていくには、自分とは違う立場の人々や、自分と違う意見を持つ人々の気持ちを想像してみることが大事なんだって。つまり、他人の靴を履いてみること。これからは『エンパシーの時代』
【P74「5.誰かの靴をはいてみること」】

本書の1つのテーマである「多様性」への理解。そのために必要な能力が『エンパシー』と呼ばれている。
似たような言葉として「シンパシー」があるが、それは自分と似たような境遇を持つ人に対して自然とわいてくる感情。理解を示すのは、ある意味当たり前。
自分と全く違う価値観を持つ人々を本当に理解するには、相手の立場で想像する必要がある。そのために、相手と同じ経験をしてみる。

②本当に必要なことを教わる

教えなければ波風は立たない。が、この国の教育はあえて波風を立ててでも少数の少女たちを保護することを選ぶ。そして、こうやって波風が立ってしまった日常を体験することも、様々な文化や習慣を持つ人々が存在する国で生きていくための訓練の一つ
【P139「9.地雷だらけの多様性ワールド】

波風を立てることを嫌い、核心に触れずにその場をやり過ごすことは簡単。
ただ、やり過ごしたあとに待っているのは不幸な未来。
たとえその場の空気が重くなろうとも、本当に大切なことを学ぶ機会をつくることが教育において重要。そこで起こる小さな問題は、将来の不幸に比べたら小さなもの。
目を背けたくなる事実にもしっかり目を向けて、正しい知識を得ることが大切である。

③子供はよくわかっている

カトリックの小学校の彼の級友たちは、いわゆる伝統的でコンサバな家庭の子どもたちで、シングルペアレントさえいなかった。が、いても隠していたんだろうという気配はあったから、子ども同士は大人たちよりダイレクトに語り合っていたのかもしれない
【P170「11.未来は君らの手の中」】

「うちの子にはまだ早い」と思っているのは親だけかもしれない。
子どもの成長は目を見張るものがあり、センシティブな内容を受け止めるだけの理解力はある。子どもを信じる。
大人は様々な経験を積むあまり、余計なことも考えしまう。子どものストレートでピュアな感性を大切にしたい。

感想

冒頭に「きっと息子の人生にわたしの出番がやってきたのではなく、わたしの人生に息子の出番がやってきたのだろう。」とあるが、子どもから学べることは本当に沢山のものがあると思う。
家庭で見えるものだけでなく、家庭の外で経験してくることに積極的に耳を傾ける。これから子どもと共に自分も成長していくことが楽しみ。
子どもが生まれたばかりの自分にとって、良いタイミングで手に取った本だ。

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