緊急上映された、インド映画『Hanu Man』を鑑賞してきた。
2024年1月19日(日)に池袋HUMAXシネマズでインド映画『Hanu Man』(2024)を鑑賞してきた。
『Hanu Man』(2024)の概要
本作は2024年1月12日に本国、インドで公開し、1週間で1億5,000万売り上げた話題沸騰の映画である。
本国での大ヒットに応え、Indoeiga Japan主催で1月19日~ ヒューマックスシネマズ池袋、川口スキップシティで上映が行われている。(英語字幕のみ)
制作はテルグ語映画(トリウッド)のスタッフたちによって行われているが、ヒンディー語、タミル語など多言語で吹き替えられ、インド全土で公開されている、所謂"Pan-Indian film”というやつだ。
(Pan-Indian filmについては、Filmsaagarのこちらをチェック)
『Hanu Man』(2024)の映評
ざっくり、ストーリー振り返り
まずは、本作のストーリーをざっくりと振り返ってみようと思う。
ざっくり振り返るとこんな感じだった。
テルグ語吹替/英語字幕での鑑賞だっため、村の設定や、ホンモノのハヌマーンが眠っていた場所がヒマラヤなのかなど、細かいところが定かではないところも多いがご了承いただきたい。
インド神話というスパイスをどのように調理するか
MCUやDCのヒーローたちの力の根源がインド神話に関わっているような映画。インド神話×ヒーロー映画となると、ボリウッド映画『ブラフマーストラ』(2023)が頭をよぎる。
しかし、本作は一味違う。というか、インド神話というスパイスの使い方が異なるとでもいうべきだろうか。
これは主観だが、『ブラフマーストラ』がヒーロー映画に少しインド神話という名のスパイスを混ぜているのに対して、『Hanu Man』はインド神話というスパイスが原材料となり、調理を始めているような形なのである。
つまり、本作はインド神話がなければ発想が生まれないような作品なのだ。
すなわち、ヒンドゥー教色が強い…。
映画に出てくるインド神話ネタはは天竺奇譚氏の書籍や講座でそれなりの理解を深めたが、きっと本作には小ネタどころではない要素がたくさんあったと思われる。是非とも、本作に対しても奇譚氏の解説/感想を聞きたいところである。
ヴィランのビジュアルについて
これは、シク教徒が主人公のヒーロー映画『フライング・ジャット』(2016)を見た時にも感じたことだが、ヴィランの最終形態がダサい。
わかりやすく、強い・悪いやつというを目指したのはわかるが、ヒーローと並んだ時のバランスが悪い。
本作はPrasanth Varma Cinematic Universe作品
本作は、Prasanth Varma Cinematic Universe(PVCU)の1作目となっており、『WAR ウォー!!』のYRF Spy Universeや『ブラフマーストラ』のĀstraverseなどのように、複数の作品で同一の世界観を共有するシリーズ作品の1つとなっている。
つまり、Hanu Man以外にも、ヒーロー映画作品があるのだ。
それが『ADHIRA』である。なんとコチラも2024年公開予定らしく、PVCUの勢いが凄まじいことになっている。
今後の『Hanu Man』(2024)
ストーリー部分にも書いたが、続編である『Jai Hanu Man』が早くも2025年に公開であることがエンドロールにて明かされた。
となると、本作が日本語字幕で観れるのは今年中か来年続編が出てからになるのではないだろうか。
といっても、インド人の観客ほど日本のインド映画鑑賞者が本作に対して、盛り上がれるか否かはなんともいないところである。
(インド人の観客の反応はコチラをチェック↓)
反応は置いておいたとして、本作が日本語字幕で正式に公開されるとなると、日本で主演のテージャ・サッジャーが注目されることはほぼ間違いないだろう。
現在29歳のテージャ・サッジャーは、すでに日本で注目されているトリウッド俳優たち(プラバース、ラーム・チャラン、NTR Jr.、アッル・アルジュン)よりも下の、次世代のスターである。『バーフバリシリーズ』や『RRR』(2022)によって増加した、日本のインド映画鑑賞者の心を掴むことはできるのか、注目していきたい。
おわりに
今回はインド映画『Hanu Man』(2024)の鑑賞した感想?記録?を書いてみた。本作は2024年のインド映画において、トップを飾る可能性がある。(そうなったら、ヒンドゥー要素が強すぎてインドが少し心配だが…。)
日本語字幕公開後でも、観れる機会があれば、みなさんもぜひに。