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This is 400字小説

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400字程度で書かれた小説たち。ライフワークであーる。 2020年4月11日より2023年12月31日まで 「なかがわよしのは、ここにいます。」(https://nkgwysn.…
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#舐達麻

【400字小説】TA・SHI・KA・NI

【400字小説】TA・SHI・KA・NI

「お前のはラップじゃなくてダジャレ。もしくは親父ギャグ」だってアツシに言われて、YZERRの気持ちがわかった。グゥの音も出ないってああいうことを言うのか。レクイエムだと自分のラップを称したバダサイは天才なんだ。パクリすらもできないわたしはYZERR以下。

「東京ドームでライブって最早ラップグループじゃなくね?」と素直な感想をアツシは口にした。そりゃそうだ、ラップははみ出し者の芸術だ。東京ドームク

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【400字小説】どっち?

【400字小説】どっち?

影しか見ない人もいれば、虹さえ気がつく人がいるよ。高校生が若さに気づいていなくて勿体ない。七色に輝く。永遠じゃないから儚くてさ。

これは詩だ。

人間だっていつか死ぬって勘違いしている。1999年のベスト・シングルはナンバーガール『透明少女』。きらきら光ってたな。2023年のスマッシュ・ヒット曲は舐達麻『FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD』で、清々しいくらいのディスが愉快。前

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【なかがわよしのの61曲カヴァー企画】「FLOATIN’」舐達麻

ハンシャ人の女だっていうきよみにアフロは恋をしてしまって、明日、初デートっていう段階で事情を話された。「今ならまだ引き返せるよ」と言われ、逆に火が点いた。白昼堂々、繁華街のアーケードにふたりで繰り出して、速攻、ハンシャ人の子分がやって来て、アフロは脅された。「こえ~よ」と輩が立ち去った後、半泣きしたが「もう帰ろう」と言うきよみの言葉に頷く気にはならなかった。「事務所って100均あったテナントの2階

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【400字小説】犯罪に足を染める

【400字小説】犯罪に足を染める

「駅前で強盗だって。白昼堂々入店して
乱暴に金目のものを奪っていったみたいだよ、
たったの105秒でさ」

「そんなの捕まるだけじゃん」

「捕まりたいんだよ。舐達麻になりたいんだよ」

「なに、なめだるま?」

午後2時のわたしたちの2LDKでの会話。
ゴウくんはやはり舐達麻を知らなかった、
善良な市民だからな。
わたしはどちらかといえば悪い女なので、知ってた。

てゆうか大好き。
そのまっすぐ

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