TRIPS協定14条 実演家,レコード(録音物)製作者及び放送機関の保護

 TRIPS協定14条では、日本の著作隣接権に相当する権利が規定されています。

 米国は国内法制の都合上、ローマ条約に加入することが困難でした。この米国の都合に配慮して、TRIPS協定は著作権隣接権ではローマ条約プラスアプローチを採用せずに、独自に規定しています。

 TRIPS協定14条(6)では、TRIPS協定加盟国のうち、ローマ条約に加入していない国は、ローマ条約上許容される条件等を用いることができることが規定されています。

・TRIPS協定14条 実演家,レコード(録音物)製作者及び放送機関の保護

(1) レコードへの実演の固定に関し,実演家は,固定されていない実演の固定及びその固定物の複製が当該実演家の許諾を得ないで行われる場合には,これらの行為を防止することができるものとする。実演家は,また,現に行っている実演について,無線による放送及び公衆への伝達が当該実演家の許諾を得ないで行われる場合には,これらの行為を防止することができるものとする。
(2) レコード製作者は,そのレコードを直接又は間接に複製することを許諾し又は禁止する権利を享有する。
(3) 放送機関は,放送の固定,放送の固定物の複製及び放送の無線による再放送並びにテレビジョン放送の公衆への伝達が当該放送機関の許諾を得ないで行われる場合には,これらの行為を禁止する権利を有する。加盟国は,この権利を放送機関に与えない場合には,1971年のベルヌ条約の規定に従い,放送の対象物の著作権者が前段の行為を防止することができるようにする。
(4) 第11条の規定(コンピュータ・プログラムに係るものに限る。)は,レコード製作者及び加盟国の国内法令で定めるレコードに関する他の権利者について準用する。加盟国は,1994年4月15日においてレコードの貸与に関し権利者に対する衡平な報酬の制度を有している場合には,レコードの商業的貸与が権利者の排他的複製権の著しい侵害を生じさせていないことを条件として,当該制度を維持することができる。
(5) 実演家及びレコード製作者に対するこの協定に基づく保護期間は,固定又は実演が行われた年の終わりから少なくとも50年とする。(3)の規定に基づいて与えられる保護期間は,放送が行われた年の終わりから少なくとも20年とする。
(6) (1),(2)及び(3)の規定に基づいて与えられる権利に関し,加盟国は,ローマ条約が認める範囲内で,条件,制限,例外及び留保を定めることができる。ただし,1971年のベルヌ条約第18条の規定は,レコードに関する実演家及びレコード製作者の権利について準用する。

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