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委託研究で生まれた知財権が、委託者に帰属しないことがある
共同研究の費用は共同研究者の全員が負担して、知財権は共同研究者の全員に帰属するのが原則です。
委託研究での費用は委託者が負担して、知財権は委託者に帰属することが多いです(特に国からの委託研究では)。
委託研究での知財権の帰属先に関する例外が産業活力再生特別措置法30条です。
産業活力再生特別措置法30条が制定される前は、国の資金で研究開発された特許権は国に帰属していたため、研究開発成果を国の産業に活用出来ておらず、税金の無駄遣い等の批判もありました。
産業活力再生特別措置法30条によると、国からの委託研究であっても、被委託者(研究者等)の下に知財権が残ることがあります。
この産業活力再生特別措置法30条は、USのバイドール法を受けて制定されたようです。
・産業活力再生特別措置法30条 国の委託に係る研究の成果に係る特許権等の取扱い
(国の委託に係る研究の成果に係る特許権等の取扱い)
第三十条 国は、技術に関する研究活動を活性化し、及びその成果を事業活動において効率的に活用することを促進するため、その委託に係る技術に関する研究の成果(以下この条において「特定研究成果」という。)に係る特許権その他の政令で定める権利(以下この条において「特許権等」という。)について、次の各号のいずれにも該当する場合には、その特許権等を受託者から譲り受けないことができる。
一 特定研究成果が得られた場合には、遅滞なく、国にその旨を報告することを受託者が約すること。
二 国が公共の利益のために特に必要があるとしてその理由を明らかにして求める場合には、無償で当該特許権等を利用する権利を国に許諾することを受託者が約すること。
三 当該特許権等を相当期間活用していないと認められ、かつ、当該特許権等を相当期間活用していないことについて正当な理由が認められない場合において、国が当該特許権等の活用を促進するために特に必要があるとしてその理由を明らかにして求めるときは、当該特許権等を利用する権利を第三者に許諾することを受託者が約すること。
2 前項の規定は、国が資金を提供して他の法人に技術に関する研究を行わせ、かつ、当該法人がその研究の全部又は一部を委託する場合における当該法人と当該研究の受託者との関係に準用する。
3 前項の法人は、同項において準用する第一項第二号又は第三号の許諾を求めようとするときは、国の要請に応じて行うものとする。
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