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TRIPS協定53条 担保又は同等の保証

 TRIPS協定53条(1)では、差止等を申請する申立人からの担保提供等が規定されています。

 この担保は、差止め等が申請される際に、申請品(申立人)から提供されるものです。当局は、この担保やそれに代わる保証の提供を、申立人に要求する権原が付与されます(TRIPS協定53条(1))。ただし、当局は、担保の提供を必ず求めなければならないわけではありません。

 TRIPS協定53条(2)では、意匠や特許等が用いられている物品に関して、司法機関等の独立した当局以外の権原を有する行政機関等によって通関停止された場合の措置が規定されています。具体的には、司法機関等の独立した当局以外の権原を有する行政機関等によって通関停止された場合、物品所有者や輸入者による担保の提供を条件として、通関停止されている物等の通関を認める措置(権利)を保証しなければなりません。

・TRIPS協定53条 担保又は同等の保証

(1) 権限のある当局は,申立人に対し,被申立人及び権限のある当局を保護し並びに濫用を防止するために十分な担保又は同等の保証を提供するよう要求する権限を有する。担保又は同等の保証は,手続の利用を不当に妨げるものであってはならない。
(2) 意匠,特許,回路配置又は開示されていない情報が用いられている物品に関して,この節の規定に基づく申立てに伴い,当該物品の自由な流通への解放が司法当局その他の独立した当局以外の権限のある当局による決定を根拠として税関当局によって停止された場合において,第55条に規定する正当に権限を有する当局による暫定的な救済が与えられることなく同条に規定する期間が満了したときは,当該物品の所有者,輸入者又は荷受人は,侵害から権利者を保護するために十分な金額の担保の提供を条件として当該物品の解放についての権利を有する。ただし,輸入のための他のすべての条件が満たされている場合に限る。当該担保の提供により,当該権利者が利用し得る他の救済措置が害されてはならず,また,権利者が合理的な期間内に訴えを提起する権利を行使しない場合には,担保が解除されることを了解する。

●参考文献
・荒木好文(著)『図解TRIPS協定』(発明協会, 2001)

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