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商標法 感想まとめ 変態腕時計”OMECO”商標取消し?パロディ商品「フランク三浦」事件に学ぶ_ゆるカワ?商標ラジオ#79

1-1.OMEGA VS OMECO

 品位が疑われるとの意見もあるが、商標「OMECO」は適法に登録された株式会社OMECOの商号の略称である。したがって、株式会社OMECOは商標「OMECO」を使用する正当な権利があると思われる。

 このため、卑猥だからという理由(商4①7)だけで取消とするのは、無理があるとは思う。

 なんでも意外性が大切(らしい)。安高弁理士のような真面目そうな人が連呼すると注目度が高いらしい。。。ということは、岡村弁理士が連呼した場合は注目されないのであろうか。。。

1-2.フランク三浦 vs フランクミュラー

 商標「フランク三浦」と商標「フランクミュラー」について、特許庁は類似と判断したが、裁判所は非類似と判断した。

 特許庁は三点観察のうち「観念と称呼」が似ていると判断したが、裁判所は三点観察のうち「称呼」が似ている(観念は似ていない)と判断した模様。

 裁判所が「実際の商品」の特徴を考慮して実際に混同するか否かを判断するのは理解できる。しかし、今回は、裁判所側は実際の商品特徴(酷似している)は考慮していない。裁判所は、ただ乗りやパロディであっても、直ちに混同のおそれがあるとは判断していない。

1-3.ランボルミーニ vs ランボルギーニ

 ランボルミーニ側が、ランボルギーニに似せた商品を作っていたらしい。 「ランボルミーニ」が付された商品は、ランボルギーニを小型化した車両(人は乗れる)と思われる。

 特許庁は、「ランボルミーニ」と「ランボルギーニ」を非類似と判断している。一方、裁判所は、「ランボルミーニ」と「ランボルギーニ」を類似と判断している。

 ランボルミーニ事件での判断基準が、前述のフランク三浦の件で使われた可能性がある。ただし、ランボルミーニ事件ではランボルミーニ側があまり主張・反論していない。個人的には、弁理士はこのような事例を(出願段階で)前例として取り扱うべきではないと思う。詳細を確認せずに前例として取り扱うと、逆転負け弁理士になる可能性があるからである。

1-4.BALENCIAGAのパロディ商品であるBALEHENGANA

 一見すると同じに見えるので、外観が類似するように思える。

日本人は長いアルファベットを読みなれていないと思うので、馴染みのないブランドであれば見間違える(混同する)と判断する可能性も高いと思う。

観念類似の話だが、以前の審査基準には「椿」と「カメリア」も非類似という例が掲載されていなかったか?
これは、日本人が英語にあまり馴染んでいないことを反映していると思う。

1-5.この動画でも、アシスタントから「弁理士おらんかったら無理」が発せられた

 36:48位から「そんなん、弁理士おらんかったら無理」がある。

2.感想まとめ

 特許庁では「商標が使われる商品の」取引の実情までは考慮しないはずである(商4条1項11号の審査基準を参照)。例えば、商標「フランク三浦」が腕時計に付されている場合、特許庁は腕時計の取引の実情は考慮しても、商標「フランク三浦」が付された腕時計の取引の実情までは考慮しないはずである。

これは、商標法では、①未だ使用されていない商標についても登録を認める先願主義を採用しており、②全国的周知等がなければ登録を認めない場合(商3条2項)を除いて、特許庁の審査で商標が使われる商品の実際の取引を考慮する必要がないからと思われる。

見方を変えると、特許庁側には詳細に調査する余裕がないので、出願人側が証拠を提出しなければ「商標が使われる商品の」具体的取引実情までは考慮されないものと予想する。

通説になっている場合を除いて、裁判における商標の類否判断基準を新規出願の際に適用するのは危険である。これは、判決は当事者の主張立証内容に大きく影響されるからである。裁判における商標の類否判断基準を新規出願の際に適用する場合には、その裁判の経過・内容を確認したほうが良いと思われる。

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