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経済安保推進法(案)73条 保全対象発明の実施の制限

 保全指定された保全対象発明は、内閣総理大臣の許可がなければ実施できません(本条1項)。

 実施許可の申請は、所定の事項を記載した申請書を、内閣総理大臣に提出することで行います(本条2項)。申請書が提出され、保全対象発明が指定特許出願人等以外に漏洩しないと判断された場合、実施許可がなされます(本条3項)。実施許可には、漏洩防止措置を講じることを前提とすることができます(本条4項)。

 実施許可が得られた後、
  ①特許出願人等が実施許可の条件に違反して実施しているか、
  ②漏洩防止装置などを講じていないこと、
が判明し、その結果、特許出願を却下すべきと判断された場合、特許出願を却下すべき旨が特許庁長官及び指定特許出願人に通知されます(本条6項)。この通知に対しては、弁明書を提出できます(本条7項)。

 特許庁長官は、特許出願を却下すべき旨の通知がなされると、保全指定の解除がなされた後、通知がなされた特許出願を却下します(本条8項)。

・経済安保推進法(案)73条 保全対象発明の実施の制限

(保全対象発明の実施の制限)
第七十三条 指定特許出願人及び保全対象発明の内容を特許出願人から示された者その他保全対象発明の内容を職務上知り得た者であって当該保全対象発明について保全指定がされたことを知るものは、当該保全対象発明の実施(特許法第二条第三項に規定する実施をいう。以下この章及び第九十二条第一項第六号において同じ。)をしてはならない。ただし、指定特許出願人が当該実施について内閣総理大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
2 前項ただし書の規定による許可を受けようとする指定特許出願人は、許可を受けようとする実施の内容その他内閣府令で定める事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項ただし書の規定による許可の申請に係る実施により同項本文に規定する者以外の者が保全対象発明の内容を知るおそれがないと認めるときその他保全対象発明に係る情報の漏えいの防止の観点から内閣総理大臣が適当と認めるときは、同項ただし書の規定による許可をするものとする。
4 第一項ただし書の規定による許可には、保全対象発明に係る情報の漏えいの防止のために必要な条件を付することができる。
5 第六十七条第二項から第五項まで及び第八項の規定は、第一項ただし書の規定による許可について準用する。この場合において、同条第四項中「発明」とあり、及び同条第五項中「明細書等に記載されている発明」とあるのは「第七十条第一項に規定する保全対象発明」と、同条第八項中「規定により発明」とあるのは「規定により第七十条第一項に規定する保全対象発明」と、「当該発明」とあるのは「当該保全対象発明」と読み替えるものとする。
6 内閣総理大臣は、指定特許出願人が第一項の規定又は第四項の規定により許可に付された条件に違反して保全対象発明の実施をしたと認める場合であって、特許出願が却下されることが相当と認めるときは、その旨を特許庁長官及び指定特許出願人に通知するものとする。指定特許出願人が第七十五条第一項に規定する措置を十分に講じていなかったことにより、指定特許出願人以外の者が第一項の規定又は第四項の規定により許可に付された条件に違反して保全対象発明の実施をした場合も、同様とする。
7 内閣総理大臣は、前項の規定による通知をするときは、あらかじめ、指定特許出願人に対し、その理由を通知し、相当の期間を指定して、弁明を記載した書面を提出する機会を与えなければならない。
8 特許庁長官は、第六項の規定による通知を受けた場合には、第七十七条第二項の規定による通知を待って、特許出願を却下するものとする。

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