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TRIPS協定37条 権利者の許諾を必要としない行為

 TRIPS協定37条は、違法に複製された回路配置が組み込まれた製品であることを知らなかった場合の救済規定です。 

 具体的には、「当該集積回路又は当該製品が違法に複製された回路配置を組み込んでいたことを知らず,かつ,知ることができる合理的な理由を有さなかった場合」には、免責されます(TRIPS協定37条(1))。ただし、違法に複製された回路配置が組み込まれた製品であることについての通知を受けた後は、ライセンス料を支払わなければなりません(TRIPS協定37条(1))。

 TRIPS協定37条(2)では、政府等による特許権者の許諾を得ない他の使用(TRIPS協定31条)、が規定されています。

 日本では、TRIPS協定35条~38条に対応した規定として、「半導体集積回路の回路配置に関する法律」が設けられています。

・TRIPS協定37条 権利者の許諾を必要としない行為

(1) 前条の規定にかかわらず,加盟国は,同条に規定するいずれかの行為を行い又は命じる者が,違法に複製された回路配置を組み込んだ集積回路又は当該集積回路を組み込んだ製品を取得した時において,当該集積回路又は当該製品が違法に複製された回路配置を組み込んでいたことを知らず,かつ,知ることができる合理的な理由を有さなかった場合には,当該集積回路又は当該製品に関する当該行為の遂行を違法としてはならない。加盟国は,当該者が,回路配置が違法に複製されたものであることを十分に説明する通知を受領した後も手持ちの又はその受領以前に注文された在庫について当該行為を行うことができること及び,この場合において,当該回路配置について自由に交渉された利用許諾契約に基づいて支払われる合理的な利用料と同等の金額を権利者に支払わなければならないことを定める。
(2) 第31条(a)から(k)までに定める条件は,回路配置の強制利用許諾又は権利者の許諾を得ない政府による又は政府のための使用の場合について準用する。

●参考文献
・荒木好文(著)『図解TRIPS協定』(発明協会, 2001)

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