【書評】古典黄金本格は、難しい│「朱の絶筆」鮎川哲也
鮎川哲也の「朱の絶筆」を読み終わった。本書のあらすじは、篠崎豪輔という傲慢な流行作家が、別荘で殺される。別荘に集まっていたのは、9名で、うち6名は殺害の動機がある。犯人はなぜ原稿の束を焼却したのか?というもの。
オーソドックスな古典的本格ミステリである。キャラクター造形は舞台装置+α程度のもので、事件及びトリックに焦点が置かれる。この、一昔前の日本人の会話というのは、独特の雰囲気があって、中々良い。良いのだが、この手のタイプも読み慣れてくると、退屈に感じる。
本書の