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〈書評〉全記事まとめ

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執筆した書評の全記事まとめ
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記事一覧

〈書評〉1900年代のアメリカと黒人│『ブラック・ボーイ ある幼少期の記録(上)(下)…

追記:2024/11/23僕が16歳の時に書いた記事です 面白かったので再公開します 1.雑記+導入日本…

抜こう作用
2か月前
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〈書評〉最古のキリスト教資料「Q」を読む│『携帯版 Q文書』山田耕太

 死海文書によって、存在が確定的となった「Q資料」。Q資料とは、マルコ福音書よりも早く成立…

抜こう作用
2か月前
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〈書評〉「悪い性格」の要素を網羅的に理解する│『パーソナリティのダークサイド』下…

誰にでも潜む性格の「悪い部分」  あらゆる性格の悪い側面を概観してみたくないか?そこにあ…

抜こう作用
2か月前

〈書評〉よくある理論、実は「構造主義」だった│『はじめての構造主義』橋爪大三郎

構造主義は我々の中にある  昨今、ポスト構造主義という言葉を耳にする機会が多い。例えば、…

抜こう作用
3か月前
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〈書評〉探偵が神になるのではない、神が探偵になる│『神探偵イエス・キリストの冒険…

 『神探偵イエス・キリストの冒険』は、清涼院流水作のミステリー小説である。福音記者ヨハネ…

抜こう作用
3か月前
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〈書評〉『「性格が悪い」とはどういうことか───ダークサイドの心理学』小塩 真司

 あのやたらと傲慢で自己中心的な人は、一体なんなんだろう?我々は、人生において、一定数性…

抜こう作用
3か月前
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〈書評〉SNSでの政治議論の前に、経済の基礎論を│『経済学を学ぶ』岩田規久男

 我々はXで政治論争をする以前にしなければいけない事がある。経済学の勉強である。 https://amzn.asia/d/gIBQ7Y9  『経済学を学ぶ』はちくま新書から出版された、経済学の入門書である。本当に経済学の基礎の基礎から学べるのだが、既にその基礎段階から、緻密に構成された論理があり、この体系の魅力を存分に体感出来るものとなっている。内容を思い出すついでに、簡単に紹介しよう。 本書の解説  筆者はまず、市場の効用について解説する。市場とは、物々が交換される

〈書評〉『武士道』新渡戸稲造:日本精神の源流とその現代的意義

 日本人の武士道精神は、今も生きているのだろうか。  アメリカ合衆国で出版された新渡戸稲…

抜こう作用
3か月前
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〈書評〉『エックハルト説教集』M.エックハルト─自由な精神に咲く、最も美わしき花

 真の信仰とは如何なるものか。  『エックハルト説教集』は、神聖ローマ帝国の神学者であり…

抜こう作用
3か月前
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〈書評〉『新しいヘーゲル』長谷川 宏――理性とは、現実そのものである

 ドイツ観念論の完成者である、偉大な哲学者ヘーゲル。本書は、ヘーゲルが日本で受容された際…

抜こう作用
3か月前
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〈書評〉神話と暴力の交錯──『テスカトリポカ』が描く新たな神々

 神話は、それを持つものにとっては今なお生きている。  佐藤究は、残虐な神話と、鮮烈な裏…

抜こう作用
3か月前
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【書評】C.G.ユング『赤の書』(p420まで:後に追記します)

著者プロフィール:  抜こう作用:元オンラインゲーマー、人狼Jというゲームで活動。人狼ゲーム…

抜こう作用
4か月前
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【書評】透き通る愛の謎解き:『世界でいちばん透き通った物語』杉井光

 特別な想いというのを、人が自分に向けている事はあっただろうか。ここで言う特別な想いとは…

抜こう作用
5か月前
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【書評】古典黄金本格は、難しい│「朱の絶筆」鮎川哲也

 鮎川哲也の「朱の絶筆」を読み終わった。本書のあらすじは、篠崎豪輔という傲慢な流行作家が、別荘で殺される。別荘に集まっていたのは、9名で、うち6名は殺害の動機がある。犯人はなぜ原稿の束を焼却したのか?というもの。  オーソドックスな古典的本格ミステリである。キャラクター造形は舞台装置+α程度のもので、事件及びトリックに焦点が置かれる。この、一昔前の日本人の会話というのは、独特の雰囲気があって、中々良い。良いのだが、この手のタイプも読み慣れてくると、退屈に感じる。  本書の