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発達支援・特別支援に関する発信

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障がいのある子どもと関わる方向け。 働いてきて抱いた意見や、ここが肝だな!と感じた関わり方のコツ、などなど。
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#療育

#29 可変と不変を見分ける知恵を

こんにちは。にわのです。 障がいのある子どもたち・重度心身障がいのある方たちの支援をかれこれ17年してきました。 今日は働いてきた中での「座右の銘」 常に自分に言い聞かせてきた言葉について書きます。 ニーバーの祈り 神学者ラインホールド・ニーバー(Niebuhr, Reinhold)による祈りの言葉です。 社会福祉主事の資格講座で中央福祉学院の授業を受けた際、「心の平和の祈り」として先生が紹介されていました。 私自身はキリスト教徒ではありませんが、本当にその通りだな

#26 誤学習を避けるための関わり方

「不適切な行動」と「欲しい物が手に入った」という結果が本人の中でリンクしてしまい、不適切な行動が繰り返し見られるようになることを誤学習といいます。 誤学習の結果、過激な行動が要求・表現手段として定着してしまうことは、幼児期の子どもや、知的な遅れ・発達障がいのある子たちにとって珍しくない現象。 支援者は常にそのリスクを頭に入れた対応をとる必要があると私は思います。 誤学習の例 例えば、こんな場面 行動を分析する時には「直前状況」「行動そのもの」「行動の結果」に分けて考

#25 行動を3つの視点で分析する 【ふりかえりのコツ】

放課後デイでの仕事には「ふりかえり」がつきもの。 利用中の子どもたちの様子を思い出して、 「なんであんなことしたんだろう」 「次回の利用時に何か変えた方が良い点はないか」 と作戦会議を行います。 話の進め方が整理されていないと、 「なぜその行動に至ったのか」 →各自の推測を喋るのみ 「どうすれば再発防止できるか」→難しいですね、、気をつけて見守りましょう で終わってしまいがち。 今日は、 行動を分析する時には、時系列に沿った3つの視点に分けて考えることが効果的、 という

#24 「気をそらす」の達人を目指そう

やめて欲しいのに、毎日繰り返される子どもの行動ってありますよね。 最近のうちの子(1歳9ヶ月)だと、「寝ているお兄ちゃんに襲いかかる」です。 毎朝の恒例になっています。泣いて終わるってわからんもんかね。 ダイブしようとひらめいてしまった子どもに対して、恒例行事を終わらせるべく大人ができることには、大きく3つの選択肢があります。 言葉で説得(or注意or叱責)する 抱えて物理的に引きはがす おもちゃ・お菓子で気をそらす 1と2をまず試し、それでもダメなら3の手段、

#22 構造化とABAは全子育てに有効です

3月に2冊目の著書を出された発達支援界隈の有名人、平熱先生の名言 Xは見る専門、フォロワー0人の私も言わせてください、発達支援は全人類の子育てに有効です。 放課後デイで働きながら2人の子育てをしてきて、これって障がいのある子に限らず、あらゆる子育てに有効だよね、と感じてきた技法やテクニックがたくさんあります。 その中から、特に「子どもと関わる全大人に知ってほしい!」と思う手法2つについて、基本的な考え方を紹介します。 全大人に知ってほしい手法その1:構造化構造化とは、

「その子あるある」が信頼関係の基本 #4

こんにちは。にわのです。 放課後等デイサービスという、障がいがある子どもたちの居場所づくりを仕事にしてきました。7年間で出会った子どもたちは70名以上。同じ数のご家族とも出会い、面接をし、日常のちょっとした報告や相談をお聞きしてきました。 子どもと関わる上で「通じる」瞬間が最も大切ではないか(そうに違いない!)と伝えたいシリーズ、第3回は、ご家族との間の「通じる」について。 子どもと関わる仕事に、ご家族との関わりは1セット 仕事として子どもと関わり始めた頃の私の気持ちで