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#25 行動を3つの視点で分析する 【ふりかえりのコツ】

放課後デイでの仕事には「ふりかえり」がつきもの。

利用中の子どもたちの様子を思い出して、
「なんであんなことしたんだろう」
「次回の利用時に何か変えた方が良い点はないか」
と作戦会議を行います。

話の進め方が整理されていないと、
「なぜその行動に至ったのか」 →各自の推測を喋るのみ
「どうすれば再発防止できるか」→難しいですね、、気をつけて見守りましょう
で終わってしまいがち。

今日は、
行動を分析する時には、時系列に沿った3つの視点に分けて考えることが効果的
という話です。

視点1:行動そのもの

まずは事実の共有です。
その瞬間を全ての支援者が目撃したとは限らないので、何が起きたのかを明確にします。

○スタート:「急にわーっとなって暴れ出しました」

○ゴール :「入室後椅子に座っておやつを待っている場面、2分ほど静かに座っていたのですが、突然大きな声と一緒に机を叩きました」

といった感じで、具体的な点、細かい情景をどこまではっきりさせられるかが重要。支援者養成的な観点で言うと、「聞いた人が絵に描けるように話してみよう」を合言葉にすると、報告のトレーニングにもなります。

視点2:行動の「直前」

「周囲からの刺激」と「本人のコンディション」の2つに分けて考えます。

○周囲からの刺激

その子にもよりますが、重点的なふりかえりが必要な”事件”の8割くらいは、周囲からの刺激によって引き起こされた「反応」としての行動です。

  • 支援者や友だちからの声かけ・干渉・ボディタッチ

  • 大きな声、苦手な音

  • 「待たされている」という状況

などなど。
「何がきっかけになったかな」というのは自然な思考だと思いますが、推測だけなら誰でも好きに話せます。具体的なヒントを集めることが重要なので、いかに子どものいる状況をよく見れているかが問われる場面でもありますね。

○本人のコンディション

支援者が集まって振り返っても、きっかけとなった刺激が何も思い当たらない。
いつもなら大丈夫なのに、今日に限ってなぜ、、?

こんな時は「本人のコンディション」を考える必要があります。

  • 身体要因:睡眠、空腹、どこが痛い、体調不良

  • 精神要因:家庭環境の変化期、日中学校での出来事を引きずっている可能性

  • 季節要因:進級進学の前後、花粉の時期、行事シーズン

放課後デイ職員が手に入れられる情報は限られていますが、その子との付き合いが長くなるほど、「毎年この時期は調子悪いよね」「この顔してる時は学校で何かあった時だね」といった予測の精度が上がっていきます。

視点3:行動の「結果」

行動と直前状況を整理することで、「なんであんな行動をしたんだろう」がまとまってきます。

ここまでで終わっていい行動もたくさんありますが、
人に怪我をさせる、活動に差し支えるほどのかんしゃくやパニックは「調子悪かったからしょうがないよね」で済ます訳にはいきません。

再発防止には、行動の「結果」何が起きたか、を整理してから対応を考える必要があります。

「不適切な行動」に「本人にとって嬉しいこと」で反応してしまうと、2つが結びついてしまう誤学習が起き、何度も繰り返されるパターン化のリスクがあるからです。


誤学習については、長くなるのでまた明日。

子どもの様子を思い出し、自分の言葉で報告し、他の人ならどう対応するか、を一緒に考える振り返りの時間は経験値アップの貴重なチャンスです。

単なる情報共有にとどまらない、行動分析の場にできると良いですね。

「ABC分析」で検索すれば3つの視点で分析する実例や記入シートなど色々でてきます。
より深く知りたい方はご参考まで。


以上、子どもの行動を振り返って分析する時の3つの視点についての話でした。

ではでは。


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