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「その子あるある」が信頼関係の基本 #4

こんにちは。にわのです。
放課後等デイサービスという、障がいがある子どもたちの居場所づくりを仕事にしてきました。7年間で出会った子どもたちは70名以上。同じ数のご家族とも出会い、面接をし、日常のちょっとした報告や相談をお聞きしてきました。

子どもと関わる上で「通じる」瞬間が最も大切ではないか(そうに違いない!)と伝えたいシリーズ、第3回は、ご家族との間の「通じる」について。

子どもと関わる仕事に、ご家族との関わりは1セット

子どもと関わることが好きなので仕事にしたい!仕事にできた!向いてるかも!でも、ご家族と話したり関係性作っていくのはあんまり得意じゃないかも、、

仕事として子どもと関わり始めた頃の私の気持ちです。
その子とすごす時間、笑顔や「通じた」瞬間を引き出すことはすごく楽しいし前向きに取り組めるけど、ご家族対応には緊張するし、うまく話せない。親と会わずに子どもとだけ接することができる仕事はないものか、なんて真剣に考えていた時もありました。

7年働いた今では、(どうやら親と会わない仕事はなさそうだ、という諦めを経て)、ご家族との時間もしっかり楽しむことができるようになりました。
それはたくさんの「通じた」瞬間をご家族と持つことができたからだと思っています。

信頼はちょっとした具体的エピソードに宿る

1回の療育、1日の経験で劇的に成長したり何かが大変化する訳ではない、ということは、生まれてからずっとその子を見てきたご家族が一番よくご存知です。
「以前より〇〇ができるようになってきました」という報告をしたい、という誘惑は強烈ですが、支援者が心から驚き、感動した気持ちが乗っかっていないままに何度もそうした話をしていると「あぁそうですか?家ではあまりわからないんですけどねー。。」とあまり心に届きづらいように感じています。

ご家族と心が通じる瞬間を生み出すには、「頑張っていました」「楽しそうでした」といったフレーズよりも、「今日のおやつはマシュマロを選びました」「今日聞けた発語は〇〇と△△でした」といった具体的な出来事を話すのがコツです。話が具体的であればあるほど、「めっちゃ想像できます」「そういえば家でもね」とその子についてつい話し始めちゃう、という姿を見ることができます。

こうした時間を積み重ねることで、
「その子あるある」の共有
→その子の話を通じて、心が通じ合う瞬間が増える
「この子のことをわかってくれている」という感覚、への変化
を通して、信頼感に繋がっていくと思います。

支援者としては、悩みごとや発達課題の相談に対して的確な支援と助言をすることでスパッと解決、に憧れます。が、どれだけキャリアを重ねても残念ながらそんな瞬間はそうそう訪れず、せいぜい「ヒント」の提供くらいにしかならないことばかりです。

簡単に短期間では解決しない課題、思うようにならぬ子育て、そこに向き合っていくご家族の支えになれるのは
「スパッと解決してくれる超プロフェッショナル」というよりも、
「その子のことで一緒に笑ったり悩んだりしてくれる(そして、一緒に笑ったり考えたりして欲しいと思えるだけ信頼のできる)子育てチームメイト」
ではないかと思います。

そうした関係性を作るための必須要素が、その子の話を介して支援者とご家族の心が「通じた」瞬間。「通じた」経験の積み重ねがここでも大切ですよね、という話でした。

ではでは。

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