【ニワカ放談】本当のプロパガンダは、プロパガンダの顔をしていない~ロシアの望むセカイ~
ロシアがウクライナへ侵攻中である。大義なき戦争だけにレッテル貼りが横行する。
ロシアがウクライナにむかって、「ナチスだ!お前ナチスな!ネオナチ政権!」といえば、ウクライナ側も呆れて「お前のやってることこそナチスそのものじゃないか」と応酬している。なんだか「ナチス」だけは最大級の侮辱の共通コードとして敵も味方も世界中が「わかりあえてしまっている」わけで、とても皮肉な感じがする。
戦争の侵攻以前からロシアは、数年かけてウクライナの露骨なネガキャンしていた。曰く、「ウクライナは、ナチスドイツ思想の国だ」「今の政権はネオナチだ」等だ。
BBCも記事にしている。ロシアはウクライナに関するどのような「物語」を創り出そうとしているのか。
ウクライナを親ナチ国家扱い
ウクライナを、ナチス・ドイツの思想をもった国だとする論調のも、ロシアメディアでよく見られる。
(【解説】 ロシアはウクライナ情勢の「語られ方」をどう作っているのか)原文ママ
もちろん、プーチンの開戦の演説も「ナチス」といっている。
ウクライナ軍の軍人の皆さん!
尊敬する同志の皆さん!
皆さんの父、祖父、曾祖父がナチスと戦い私たち共通の祖国を守ったのは、今日ネオナチに政権を掌握させるためではありません。
いまのウクライナ政権を、ウクライナ人にむけて、「ネオナチ」と決めつけている。その他にも、プーチンの演説では、「ウクライナは核兵器獲得を熱望している」といっている。
要するに、「ウクライナはナチスだ。ジェノサイドが行われている。その虐殺行為をとめる」「ウクライナは核開発をしようとしている。それを断固阻止する」と、この世の「わかりやすい悪」で、レッテルをはり、戦争を正当化しようとしていた。ここでは、ウクライナは、なにか侵攻すべき罪があったのではなく、侵攻されるのに、ふさわしい罪が、でっちあげられていくわけだ。
あまりにアレなので多くの人がこの開戦演説を「雑すぎる」「支離滅裂だ」「プーチン狂った」と話題になった。
さて、今回はすこしメタ的な話をする。以前にも「プロパガンダが人を騙すことはない。人が自分を騙すのを助けるだけである」というエリック・ホッファーの警句を紹介した。この「人が自分を騙すのを助けるだけである」という中で、逆にいえば「効果のあるプロパガンダ」とはどのようなものか。
さらに、このロシアの「プロパガンダ」、これ本当に、効果があるのだろうか?
そもそもウクライナの人に呼びかけて「悪いのは、お前の所の現政権がネオナチだからなんだよ」みたいなことをいってウクライナの人に響くのだろうか?
さらにプーチンの演説をきいて「国際世論」が「なるほどロシアは正しい!」などと思うだろうか。効果がないとすればなぜロシアはこんな呼びかけをするのか。もちろん、重大な意味がある。というわけで、ロシアはこうしたプロパガンダによって一体、何を狙っているのか、ロシアの望む歴史展開について書いてみよう。
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ニワカ式note リベラルは窓から投げ捨てよ!
優しいネトウヨのための嬉遊曲。 おもしろくてためになる。よむといいことがある。
和菓子を買います。