『”ほめる”というツールの可能性』
学校図書のプレミアムオンラインセミナーに参加してきました。
講師は、関西大学初等部尾﨑正彦先生。5回連続講座の最終回でした。
このセミナーでは、毎回尾﨑先生のお話を聞くことができる構成となっており、毎回満足できます。
この仕組みがすごくよく出来ていて、主催者側としては安心感があるし、尾﨑先生としては後継者を育てる事になるし、講師をする先生にとっては修行の場となる。そして当然、参加する人が満足できる。
4者の願いが叶う、win-win-win-winの関係なのだと思います。
1 「聞きたい!」話とは?
自分のお話ではないので、詳細はこの場で書けませんが、今回の言いたいことは『なぜ、尾﨑先生のお話を聞きたくなるか?』です。
色んなセミナーに参加すると同じ話を聞くことがあります。
尾﨑先生のお話は、同じ内容の話でも満足感が得られます。
どうしてだと思いますか?
知りたいことが知れる。算数授業についてわかりやすく教えてくれるなど、理由はたくさんあると思います。
それらは当然だと考えて…
『尾﨑先生の価値に触れられるから』だと僕は考えています。
2 価値づけとは”ほめる”である
尾﨑先生のお話のすごさは、『価値づけ』です。
スライドで出したり、エピソードを交えたり、声の調子を変えたり…色んな『価値づけ方』があると思います。
僕の感じる尾﨑先生の一番の『価値づけ方』が、”ほめる”です。
実践で言うと子どもをほめている場面、セミナーで言うと誰かに話をさせてほめる場面で、そのすごさが見て取れます。
尾﨑学級を参観にいくと、自由奔放な子どもの姿が見られます。しかし、規律もしっかりとしている事に驚かされます。多くの場合どちらかに偏っていていることが多いです。
元筑波大学附属小学校副校長の田中先生の学級もそうだったように、プロフェッショナルな先生は、こうした学級作りができるようです。
この二方に共通するすごさが、”ほめる”です。
尾﨑先生も田中先生も、”ほめる”のプロフェッショナルです。
大袈裟でなく、わざとらしくなく、わかりやすく、的確でブレない。
ほめるために仕掛けてほめる場合もあります。
しかし、自然にほめている場面の方がすごい。
3 プロフェッショナルの”ほめる”とは?
そこで、上手い”ほめる”って何だろうと考えます。
僕なりに考えたことは2つ。
①子どもが見える(仕掛けていなくても、予想出来なくても)
②揺るぎない価値がある
僕たちには、「こうなって欲しい」と子どもに要求する姿がありますよね。
しかし、振り返ってみると…
・自分のテンションで求めるものが変わってしまう
・子どもの実態に合っていない事を要求してしまう
・子どもがしたいと思っていない事をさせようとしてしまう
こんな事ってありませんか?僕は、いつもそうです。
尾﨑先生や田中先生には、これが無いんだと思います。
だから、子どもが自分からほめられようと合わせてくる。
だから、子どもの姿も見えやすくなる。
これは文章で見ると「先生に忖度する子どもの姿」に感じられますが、そうではありません。
無邪気にほめられようと良い行動を選択し、アピールしてきます。
ここが大きな実力差だと思っています。
”ほめる”とは、奥深き、”ほめる”とは最高で最強なツールなのです。
4 学級経営と”ほめる”の関係
話を戻して、セミナーの話です。
この学校図書の連続セミナーの建付が良いという話をしました。
これは、学級経営も同じです。
僕たちの作りたい学級がある。
その学級について、子ども達に伝える。
どうやって伝えるか?
それが『価値づけ』です。そのツールが”ほめる”です。
先生の考えが子どもにとってわかりやすい
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子どもは何をすればほめられるかがわかる
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ほめられようとする行動が増える
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作りたいクラスに近づこうとする行動が増える
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子どもの姿が見えやすくなる
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ほめる
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さらにほめられたくなる
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ほめる・ほめられるの関係が強まる
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温かさと規律のあるクラスに育つ
こういうwin-winの関係で学級づくりを進めたくありませんか?
ならば、”ほめる”が大事なのです。
”ほめる力”は学級経営力や授業経営力であり、
教師力の要なのだとわかります。
「したい」を引き出す学級経営に、”ほめる”は欠かせないのです。