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今、がんばることが、いちばんラク。
今、がんばることが、いちばんラク。
これは10年以上前、ある雑誌の取材でお会いした人気クリエイティブディレクターさんが言っていたことです。
取材の合間の雑談で、何件も仕事を同時進行させているという話を聞いて「モチベーションはどうやって維持されているんですか? 下がっちゃうことないんですか?」といった質問に対する回答だったと思う。
理由はシンプル。がんばらないで手抜きしたら、その瞬間はラクかもしれないけど、その後が大変。逆に色々めんどくさい、と。
仕事の完成度が低ければ、クライアントが求める効果が出せない可能性は高い。それに伴い「●●が手がけた仕事、最近ビミョーだよね」「●●は終わった」などと悪評が立ってしまったら、それを挽回して、信頼を再び得ることは容易じゃない。
だから、がんばれるときに精一杯、粘り強くがんばる方がラク、なのだと言っていました。
当たり前のことのようですが、自分に厳しくあり続けるのは意外と大変。なにかと自分に言い訳して、もういいやって手を止めてしまう。
私は校了間際、何度も繰り返し校正をしているときに、このフレーズを思い出します。刷り上がった後に、誤字脱字を発見する申し訳なさと情けなさを何度も体験しているからです。
今、がんばることが、いちばんラク。後から気付くほうが、ずっとツライ。
最後の踏ん張りを効かせる「おまじない」のように、私の心に刻まれています。