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「読む未来」と「つくる未来」
本格スムージーブランド「FICO & POMUM (フィコ・アンド・ポムム)」 を創業したF&Pジャパン代表の西野です。
今日は、いつも社内向けに発信している朝礼記事からの転載で、事業を起こす立場の人間の完全なボヤキです。
2種類の未来
僕は、自己で関与できる未来には2種類あると思っていて、
1つは半歩先の「読む未来」。
もう1つは3歩先の「つくる未来」です。
半歩先の未来は比較的簡単に予測することができ、訪れることがほぼ約束されているので、早めに準備して対応しといたほうがいい世界です。
例えば、タピオカブームの終焉や、サステイナブルムードの高まりなどはやってくることがほぼ確定していた読める未来なので、それに備えて準備をすることは全うと言えます。周囲から見て納得感もあります。
今、日本の人口は減少していくことが確定しているので、その大きな流れを読んでのパッシブなアクションが必要です。
ただ、半歩先の未来は多くの人が予測することができているので、同じようなことを考えて虎視眈々と準備をしているライバルがたくさんいます。
ちょっと前から準備をしていたものが、フタを開けたら
「あちゃー被ったかー」「先をやられた…」というのはよくよくあるあるある話です。(ほんとにこれの繰り返しなんです)
これまでに、構想しててもモタモタして1番を取れなくて悔しい思いをしたことは、挙げればキリがありません。
(もちろん、F&Pが1番フラグを獲ったものも多くあります)
半歩先の未来で1本しかない旗を勝ち取るためには、構想してから世に出すまでのスピードを早める、つまり「対応力を早める」ことが必要になるわけですが、、、
実はもう1つあって、それは腰を据えて取り組む「継続力」。
新しいものをやるのには、結果が出るまで苦しい下積み期間を要します。
先人は、なかなか旨みが出ないとわかるとたいていすぐ辞めていなくなります。
こここそがチャンスで、入った順番が2番手であっても陰で信念を持って取り組み、待っていれば再び旗をゲットできるチャンスが回ってきます。
一方、2,3 歩先の未来はなかなか読むことが難しくて、予測の精度が低い世界です。予想したところに張って準備をしていても、時が流れたら実際にはそんな未来など訪れることはなく、その取り組みは「ハズレ」になり、後になって修正するのにも余計なコストがかかったりします。
さらに、多くの人が想像可能な範囲の上を行ってしまっているので人に伝えることが難しく、「おい、なによくわからねえこと抜かしてんだ!」と批判や攻撃や嘲笑の対象になったりします。
F&Pジャパンは、
食の価値観の多様性を肯定できる文化、
食意識や食知識が格差なく届く文化、
人々が個々の食スタイルを確立した文化、
そして最終的には「全ての人が健康的に過ごすことのできる世界」
・・・を創ることを目指しているのですが、そんなことは簡単には人に伝わりませんし、「そんなことやってどうするの?」と咎められたり、「できるわけない」と笑われたりします。
これを乗り越えるのは、予測精度を高めるための予知能力ではありません。
もしかしたらその未来は来ないかもしれないけれど、正しいと思うことに信念を持って挑戦する「精神力」。
そして、自分の信じる未来を正解に変える「努力」だと思っています。
つまりこれは「読むのではなく創る」未来です。
僕は凡人なので、予知能力は持ち合わせておらず、3歩先の未来を見ることはできません。半歩先の未来までしか読めません。
ただ、継続の努力は持ち合わせているので、3歩先のこうあるべき(と信じる)未来を描いて、それをつくるための活動をせっせとしています。
未来戦において大切なのは、予知能力よりも継続努力だなと思っております。
(この記事は、2021年9月に社内向けに発信された内容をもとに編集を加えています)