
利用動機の「分解」と「転換」で、新しい価値を創る話
こんにちは! FICO & POMUM (フィコ・アンド・ポムム) という青山と丸ビルの本格スムージー専門店を運営しつつ、BtoB事業への展開もやっているF&Pジャパン代表の西野です。
今日は、すでに今持っているものを使って、新しい商品やサービスに応用できる考え方についてお話します。軽めの内容です。
マーケティングの初歩的な話ではありますが、BtoC / BtoB に共通する考え方かと思います。
売上は利用動機の足し算でできている
「売上」っていうのは、仕事をやっているほぼ誰にとっても無視できない数値ですね。
「売上」とは、利用動機の足し算でできています。
だから、分解して考える必要があります。
どういうことかと言うと・・・
例えば、「スムージーのカフェ」に来るお客さんは、どういう利用動機でサービスの対価を払うかを考えてみます。
・健康的な習慣としてスムージーを飲む
・1人ランチ
・グループでお茶をしに寄った
・予定の合間の時間つぶし
・作業する場所代としてコーヒーを買った
・休憩する場所として使った
・かわいい写真を撮りに来た
・食品廃棄の削減に貢献したいからフードロスサービスから見つけてオーダーした
・自宅へのデリバリーオーダー
・ファンだから、応援のためにグッズを買った
ざっと書いただけですが、他にもまだあると思います。
こうして見ると、スムージーのお店にお金を払って期待する「価値」というのは、お客さんによってそれぞれ違いますよね。
売上というのは、この積み上げでできています。
だから、このそれぞれの「評価してもらえた意味」をよく考えて、それぞれのマーケティング分析と販売促進をしなくちゃいけないと思います。
実はもしかしたら、事業者側が本来提案したいところの「健康習慣目的」「ランチ需要」よりも、「作業場所利用」の方が数字が取れているかもしれない、なんてこともあるかもしれません。
さらに、この価値たちをちょこっといじっていくことで、他の新しい利用動機をつくることもできると思っています。
たとえば・・・「差し入れを買いに来た」などです。
そこから逆算すると、マフィン3個〜6個が入るボックスを用意してあげてPOP1枚作れば、新たに商品開発をしなくても「差し入れ用グルテンフリーマフィンボックス」の完成です。
僕たちが今やっているEC販売専用の「スムージーポーチギフト」も同じです。
スムージーを買うことは、それまで「自分のため」でした。
でもこのスムージーポーチギフトを買うことは「他の誰かのため」になっています。
「スムージーに使うお金の価値や意味」がこれまでとは違い、別財布 (別予算) を開いてもらう狙いで、「大切な人の健康を思う気持ちを形にして贈る」という新しい需要を作りました。
BtoC → BtoB への価値転換
さて、ここまではBtoCのお話ですが、、、
BtoB (法人向け) サービスのローンチに関しては、僕たちがこれまでに培ったノウハウや実績を使って大きく「価値の転換」を行なった例と言えます。
これまでの「スムージーを販売する」というところから、ターゲットのお客さんも事業領域自体も大きく変えて、「スムージーを販売する人を支援する」立場に回ることで、導入した企業さんに次のような「価値」をもたらしています。
・既存の遊休スペースの有効活用
・新しい収益の創出
・客単価の向上
・来店動機の創出
・店舗のイメージ向上
・デリバリー商材を増やす
・すでに取り扱っている自社商品とのコラボを生む
・来店客とのコミュニケーションを生む
・福利厚生
スムージーを商品としてだけで見ていると「物売り」の次元から抜け出せませんが、このように、すでに自分たちが持っているものの利用動機や価値を冷静に「分解」「転換」してみると、より広い範囲の「メジャーな悩みを持っているお客さん」にリーチできる商品・サービスに展開できることがあります。
今日は、今持っている商品・技術・ノウハウ・実績を、ちょこっと形をいじって変えてみることで新しいマーケティングや事業のヒントになり、実は今まで気づかなかった新しい価値を生み出すことにつながることがある、という話でした。
(この記事は、2021年2月に社内向けに発信された内容をもとに編集を加えています)