2024年 年末のご挨拶|2024年の振り返りと2025年に向けて
加島屋(廣岡家)の文化財修復保存を応援してくださる皆様へ
いつも温かいご支援とご声援をいただき、心より感謝申し上げます。
2024年は、皆様のご協力を得て、多くの文化財を未来へ繋ぐ重要な一歩を踏み出すことができました。
2024年の活動報告
修復完了
クラウドファンディングでご支援いただいた文化財のうち、平安彫刻の阿弥陀如来像は昨年応急修復を終え、修復未完了だった掛け軸(西本願寺門主裏書きの方便法身像)と「李安忠の鶉図(写し)」「徽宗皇帝のせきれい図(写し)」は今年11月に修復が完了しました。いずれも、国宝修復を手がける光影堂さんの精緻な技術によるものです。追加修復
西本願寺門主裏書きの方便法身像は、当初1幅(360年前)のみ予定していた掛け軸修復に加え、230年前の「方便法身像」、さらに3代目久右衛門筆の「文殊菩薩」「普賢菩薩」も修復が実現しました。現在も他の掛け軸の修復に向けた準備を進めております。研究者による解説
Facebookグループでは、以下の研究者による貴重な解説が行われました:谷直樹先生(大阪市立大学名誉教授):文政期のお蔭参りと加島屋の関わり
岩間香先生(摂南大学名誉教授):加島屋に残された「書画帖」の解説や、廣岡家とカステラの関わり
高槻泰郎先生(神戸大学准教授):2023年秋に発見された「加島屋家法」(1780年代初頭、奉公人・重助による記録)の解説
その他の活動
大阪くらしの今昔館では、雛人形や五月の節句飾り、掛け軸などを展示いただきました。
大同生命の吉田一正様のご協力により、加島屋廣岡家の歴史的資料の整理・保存活動も進められています。
2025年に向けた展示のご案内
展示予告(大同生命)
平安時代後期の阿弥陀如来像と西本願寺門主裏書きの方便法身像を、加島屋の創業にゆかりのある北御堂(津村別院)ミュージアムにて展示予定です。詳細は2025年春に発表いたします。
これもひとえに、皆様のご理解とご支援のおかげです。これからも文化財を未来へ繋ぐ活動を続けてまいりますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。
西野久子(旧姓 廣岡)
(加島屋・10代目久右衛門の孫)
文化財修復活動の動画
・100年先プロジェクト(45秒)
・阿弥陀如来像(平安末)(70秒)
・西本願寺門主裏書き「方便法身像」(江戸時代)(58秒)