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掛け軸は生きている!100年後も修復を

光影堂様の「見積書」より
~略~
絵が描かれた絹に直接裏打紙が打たれ、さらに周囲の裂(きれ)とあわせて複数回の裏打ちが施されて掛軸に仕立てられています。その際に使用される糊は「小麦澱粉糊」で、おおむね100年経つと接着力が弱まったり、逆に全体が硬くなってしなやかさが失われたりし、さまざまな損傷を引き起こす原因となるため、日本の絵画はおよそ100年ごとに定期的に解体修理(裏打ちの打ち直し、仕立て直し)が行われてきました。

この作品は、江戸時代初期に制作されたあと、江戸時代末期から明治ごろに少なくとも一度は解体修理が行われています(その時に、裏書きが再使用された痕跡があります)が、そこから起算しても優に150年以上は経過していると思われ、今後、絵を維持していくためには、解体修理が必要な時期をすでに迎えているといえます。

修復に使う各種の刷毛|ムジナの毛を使った刷毛も!

と言うことで、100年後も修復が必要です。
しかし、材料も、それを作る職人さんも、危機的状況とのこと。

取り敢えず、私に出来ることは「作品を修復に出すこと」
作品を修復しないと、職人さんも、材料も、道具も廃れてしまう。
と、ちょっと大きな事を考えてしまいました(^^ゞ

白いお饅頭のようなものは重し。散弾銃の中身が入っていてズッシリ重い。
文鎮の様に表面がまっすぐではなく、作品の凹凸に合わせて優しく重しになる

豪商は日本の伝統文化を支える役割も果たしてきました。
しかし、廣岡家はもう豪商ではないので、同じようなことは出来ません。
私なりに、皆様の応援を頂きながら努力して行きたいと思います。

見学後、近くのレストランで参加者の皆様と
日本の伝統文化の存続についてアレコレお話して
楽しく有意義な一日でした。

修復完成予定は、今年の7月末です。
修復完成後も3ヶ月~半年ぐらい、寝かせておいた方がよいとのことで
来年に「修復完成お披露目会」を考えています。
計画が決まりましたら、お知らせします。
皆様、是非、ご参加下さいませ。

いつも応援いただきまして誠にありがとうございます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

今日もご先祖様のお力添えをいただけますよう、お願いいたします。

大阪の豪商・加島屋第10代、廣岡久右衛門正直の孫
神戸中医学院(芦屋薬膳)代表、西野久子(旧姓:廣岡)

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文化財修復活動の動画

100年先プロジェクト(45秒)
阿弥陀如来像(平安末)(70秒)
西本願寺門主裏書き「方便法身像」(江戸時代)(58秒)

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