うつ病でお風呂に入れない

うつ病になるとお風呂に入るのが難しくなります。
僕が聞いた例では、長いと1ヶ月や2ヶ月入れないという人もいらっしゃいました。

「うつ病と風呂に何の関係があるんだ?風呂にトラウマでもあるのか?」なんて思う方もいらっしゃるかもしれません。

トラウマが理由という人もいらっしゃるとは思いますが、今回お話しするのは、『お風呂にはうつ病の人にとっての苦手分野がいっぱいだ』ということです。

『うつ病』と聞くと、やっぱりただ気分が落ち込むだけというイメージを持つ人もまだまだ多いと思います。

『憂鬱』という言葉にイメージが引っ張られてるところもあるんですかね?

ただ、うつ病には思考力や判断力の低下、極端に疲れやすくなったり酷いダルさがあったりと、身体症状もかなりあるようです。

気分よりむしろ身体症状のほうが困っているというお声もたくさん聞きますし、正直僕も治療の中盤くらいからはむしろ身体症状がメインで困ってました。


じゃあ思考力の低下や、酷いダルさってどんな感じなのかな、と言いますと…

例えば僕の場合は、
『カップラーメンを作る手順を読んでも理解できない』
『イスに座って食事を取るための姿勢を維持するだけで疲れる』
『トイレに行きたくなっても、まずトイレに移動する覚悟を決める必要があり、ときに這ってまでトイレに行き、部屋に戻ったら体力が切れて倒れるように寝る』
…なんてことが日常でした。


うつ病になったことがない人は、仕事でヘロヘロで家に帰るなりベッドやソファーにダイブしたときのことを思い出してみてください。何も考えられないし、着替えるだけで疲れる。

今から寝るまでの時間割を計算して、お風呂を掃除して、お湯を張って、沸かして、着替えを用意して、シャンプーやボディソープの残りによっては詰替えもやって、全身を洗って、全身を拭いて、着替えて、スキンケアしてドライヤーで乾かして…

…なんて気力は、とても湧かない。

普段ならなんてことないけど、限界ヘロヘロ状態の今はハードル高過ぎ…というご経験があると思います。


『うつ病でお風呂に入れない』というのはそういうときの感じなんだ、とイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

うつ病は病気ですから、そんな状態が何日も何日も続いてしまうこともあるでしょう。

インフルエンザで何日もちゃんと寝てるのに全然熱が下がらない、なんてこともあるように、病気ですから自分でコントロールできないことがたくさんあっても、実は何ら不思議ではない。


お風呂に入れないと「こんな人間生活すら出来ないのか」と御自分を責めたくなるのは分かります。人間としてグレードが下がったような感覚になる。


けど、自由に熱は下げられない。自由に咳は止められない。対症療法こそある程度はできても、症状を完全にコントロールすることはできない。だから治療しているんですから。

なので、難しいかもしれませんが、お風呂に入れないからってあまり御自分を責めないように。あるあるですし。

そして周りの人もどうか「お風呂ぐらい入りなさい」などとあまり責めないようにしていただけたらなと思います。


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錦山まる | メンヘラマッスル女装作家
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