バスの運転手さんとの出会いが毎日を楽しくしてくれた


毎日note更新11日目。

僕はほぼ毎日最寄駅までバスに乗っている。

毎日乗っていると同じ運転手さんにあたる事も多い。

その中でも1人印象的な運転手さんがいる。

その運転手さんは運転中や乗客が降りる際に

「うーーん!」と言うのだ。

おそらくクセなのだろう。

不定期にそして頻繁に「うーーん!」を放ってくる。

僕がバスに乗ってボ〜と考え事をしていたとする。


に(ふう〜今日もバイト疲れたなあ)

運転手「うーーん!」

に(東京行く日がだんだん近づいてきたな)

運転手「うーーん!」

に(舞台どんな感じで再開していくんかな)

運転手「うーーん!」


正直うるさい。

ゆっくり考え事もさせてもらえない。

思考能力を「うーーん!」で吹っ飛ばしてくるのだ。

定期的にバズーカ撃たれてる気分である。


もしかしたら今読んでる方は文字だけでは想像しにくいかもしれない。

1つハッキリ言えるのは


今あなたが思ってる音量の10倍はでかい。


咳払いみたいな感じでうーんじゃなくて

うーーん!!としっかり声を張っている。

「ーん」の部分で半音上げるのがポイントである。

言い方のテンションとしてはアントニオ猪木の1、2、3、ダー!のダー!のテンションが一番しっくりくるだろう。


要約すると


とにかくうるさい。


最初はこの運転手さんの日はハズレだと思っていた。

だってうるさいから。


しかしこの路線のバスに乗ってかれこれ5年。

今じゃすっかりアタリである。

僕はうーーん!を楽しむようになっていた。

今日は何回うーーんを言うんだろう、どんなうーーんを言うんだろう。

ワクワクする。

楽しい。


僕は自分の中でこの運転手さんを

「うーん転手さん」と呼んでいる。

バスに乗った瞬間

「お!今日はうーん転手さんや!」

と心の中で喜んでいる。


うーーん!をずっと聞いていると

何種類かのうーーんが存在する事に気付いた。

今からそれらを紹介したいと思う。


①レギュラーうーーん

1番スタンダードなうーーん。

使用回数も1番多い。

彼はこのうーーんを軸に試合を組み立てていく。


②二段うーーん

「うん、うーーん!」と二段構えになっているうーーん。

レギュラーうーーんの次に使用回数が多い。

最初のうんで一回溜めが出来る為、その後のうーーんの伸びがとても良い。


③ホップステップうーーん

「うん、うん、うーーん!」と三段構えになっている最も力強いうーーん。

二番目をグッと落として出来るだけ力を溜め込むのがポイント。


④カーブうーーん

「う〜〜ん?」と音が曲がるようなうーーん。

最後がなぜか疑問形になっている。

こっちからしたら「いや聞かれても」ってなる。


⑤ありがとうございまうーーん

乗客がバスを降りる際、ありがとうございますの「す」の代わりにうーーんを入れてくるパターン。

初めて彼のバスに乗った乗客は一瞬ビクッとなってしまう迷惑なうーーん。


⑥エンジンうーーん

うーーんの音がエンジン音のようなうーーん。

滅多に聞けないプレミアうーーん。

バスのエンジン音と相まってどっちがどっちか分からなくなる。

ていうかあれはバスのエンジン音だったのかもしれない。


この様に様々なバージョンのうーーんを僕は楽しんできた。


そんな中、2月の中頃

プライベートのうーん転手さんが1人でバスに乗ってきた。

休日どこかに出かけるのだろう。

うーん転手さんはスマホを取り出し電話を始めた。

「もしもし」

いやあんた、運転手がプライベートで車内通話すなよ。


「あと20分くらいしたら駅着くわ。とりあえずどっかで待っといて。うん。うん。合流したらどっか飯食いにいこ。ラーメン?ああ、ええな。駅前にどっか美味いラーメン屋あったっけ?いや、あっこはあんまりやぞ。前行った時いまいちやった。ま、ラーメンというか王将でもええけどな。王将で俺ポイント貯めなあかんからな。あとさ、、、」

めちゃくちゃ車内でしゃべりやがる。

このおっさんほんまにバスの運転手か。



あれ?


え?


え?



うーーん言うてなくない?


こんだけ長い時間話してて1回もうーーん言うてなくない?

途中の「うん。うん。」言うてるとこめっちゃうーーん出すチャンスやったやん。

え、まさか、、、


まさか、、、


なんと運転手さんのうーーんはプライベートでは一切出さない

「ビジネスうーーん」だったのだ。


いや逆やろ。

使い分けれるんやったらプライベートでうーーん言うてくれよ。

何で仕事中うーーん言うねん。


僕は一気に冷めてしまった。


それからは自粛期間もあったのでまだうーん転手さんのバスには乗っていない。

次に会う日はいつになるのだろう。

東京に行くまでに会う事はあるのだろうか。

もし会う事があったとしてすっかり冷静になった僕はこう思うだろう。

「いや変な声出すな」





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