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言葉には温度と体重がある

海外に行くと必ずこの壁にぶつかるであろう「言葉の壁」

もちろん僕もアメリカに行く前にある程度は勉強をしていた。

しかし、いざアメリカ行くと何を言っているのかわからない。

言いたいことも出てこない。

話すことがまったく出来ず、失敗を恐れてコミュニケーションをとることができなかった。

英語、そして自分自身に自信をなくし、周りからは「あいつは無口なやつなのか」「あいつは喋らない大人しい日本人なのか」と、陽気な外国人でさえ困らせてしまう印象を与えてしまった。

だが、永遠に喋らないというわけにはいかない。何か喋ったと思ったら自信のない声に、おかしい発音。

さらに自分が言いたかった言葉と違う単語を間違えて言っていた。

無口な僕が久々に喋ったと思ったら発音の悪い自信のない間違った言葉。

それを聞いて笑い者扱いする。

笑い者扱いの僕はもっと自信をなくして街に出る事すら怖くなった。

ある日、アメリカ人と2人になった時に言われた。

「君はもっと勉強しないといけないね。もっと挑戦しないといけない。ガンバリマス、ガンバロウ」

片言の日本語でそう言われた時に心が動くものがあった。

ここはアメリカなのにわざわざ僕のために覚えてくれたのか。

何してんだ自分は。

そうだよなー自信持たないとなーとか思いながら、次の日勇気を出して話しかけてみた。

「おれは〇〇したい!!!」
「日本は〇〇が有名だよ!!」

伝わってくれ、伝わってくれと思いを込めて話しかけた。

今思うと文法も少し違えば発音も違った。

最初は戸惑っていたが、笑うことなく必死に理解してくれようと考えてくれた。

そして理解してくれて会話が成り立った。

嬉しくて、少しずつ自信を取り戻した。

ここで学んだ。

『言葉には温度と体重があり、聞き手には重量がある。』

僕が笑い者にされたあの時、自信のない声とその場しのぎで思いがなく温度と体重がなかった。聞いていた友人にも重量がなかった。

勇気を出して話しかけたあの時、僕の伝わってくれという温度と体重が友人にも重量が伝わり理解してくれた。

「言いたい事を伝える」ということは生きて行くために必要だったんだ。

日本にいると当たり前のように話す事ができるし、言いたい事があるけどいえないという事がある。日本では絶対に経験できないこと。

伝えないと生きていけない環境に身を置けたからこそ僕は温度と体重を乗せて、これから言いたい事をちゃんと伝えるようにしようと思った。

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