見出し画像

生産性を上げる人・下げる人

マクロでの生産性

日本は世界各国と異なり、ここ30年賃金が上昇していません(実質賃金ではむしろ低下)。その原因は様々ありますが、その1つに生産性が向上していないことが挙げられます。”生産性”というワードは様々な面でいわれますが、経済の話題の時には「1人あたりが生み出す付加価値(=1人あたりGDP)」を指すことが多いです。これが上昇しないと国全体の経済成長だけでなく、個人の賃金の増加にはつながりません。バブル崩壊後官民一体で生産性向上をテーマとして掲げていますが、そこには実行力が伴っておらず、デフレと税や社会保険料の国民負担の増加による可処分所得の減少で国全体がジリ貧状態に陥っています。

ミクロでの生産性とは?

ここまではマクロでの生産性を述べてきましたが、今回の記事ではミクロでの生産性について述べていきます。どんな生産性について述べるかというと、個人における生産性についてです。
例えば、信頼性が高い人は生産性が高いと言えます。会社において大きなプロジェクトである高度な仕事が入ったり、人望も厚かったりして、周囲に好影響を与えます。こうした人は「生産性が高い・生産性を上げる人」として会社に利益を与える存在となります。
反対に、信頼性が低い人は生産性が低いと言えます。こうした人には会社にとって重大な仕事は容易に任せようとも思わず、周囲からも孤立してしまいます。こうした状況に当人が気付いて改善しようとすればまだ良いですがが、気づくこともなく、さらに周囲に悪影響を与えるようになると、会社にとってその人は利益どころか却ってコストになってしまいます。
自分が生産性の高い人なのか低い人なのかで、会社にとって利益をもたらすのかコストとして負担させてしまっているのか全く異なる影響を与えてしまいます。
ここでは会社における信頼性をあげましたが、その他にもさまざまな状況における生産性を上げる人・下げる人がいます。ここではそれぞれがどういう人を指すかを列挙し、具体的にどういう過程で生産性に影響しているかを述べていきます。

ここでは、次の2つの状況における生産性について話していきます。

  1. 組織における人々の生産性

  2. 社会における人々の生産性

Ⅰ.組織における人々の生産性

【1】生産性を上げる人

①効率的な報連相ができる
日本企業において報連相(報告・連絡・相談)は会社を運営するにあたり重要な要素です。これが効率的にできる人は会社の生産性を上げることができます。報告や連絡は結論を重点的に端的に述べると互いに多くの時間を取ることはなく、すぐに対処することができます。特に客からのクレームや取引先とのトラブルなどマイナスの場面においては、状況をいち早く責任者に報告することが求められます。過程は後回しにして結論を先に述べることで被害を最小限に抑えることができます。相談も基本的には、相談したいテーマを中心にそれに付随する情報を肉付けすることで相手も的確なアドバイスを与えることができます。

②状況を予測して先回りに行動する
上司から「あの件どうなった?」と聞かれたら、自分は今遅れていると感じたほうがいいでしょう。そうなる前に、段階を踏んで途中経過を報告することで上司も的確なフィードバックをすることができます。
さらに生産性を上げるには、先回りして行動を起こすことが大切です。もちろんそれには一定の正しい方向性があってのことですが、明らかにこの先に起きるであろう出来事が分かればそれに合わせて先に行動を起こすことで、さらに仕事のスピードが速くなります。

【2】生産性を下げる人

①独断で物事を進める
先ほど先回りして行動すると生産性が上がると述べましたが、だからといって独断で物事を進めてしまうと、周囲にとっては方向性を修正するコストがかかり、却って生産性を下げてしまいます。先回りして行動することに不安があれば上司に「この先○○(出来事)があるので××(仕事)をしようと思うのですが大丈夫でしょうか?」と事前に相談すれば問題ありません。

②仕事内容に関心を持たない
仕事するにあたり他者と意見の対立が起きることは多かれ少なかれあると思います。筆者は対立が起きること自体はいいことだと思います。これが会社そのものの分裂を招くという事態になれば話は変わりますが、基本的には意見を出し合って対立させることで、改善点を見つけ、より良い解決案を出すことができます。問題は仕事内容そのものに関心を持たないことです。男女関係でも喧嘩するよりお互いに関心を持たない方がその関係は崩壊しているのと同じで、仕事においても関心を持たないようになると、会社だけでなく自分自身にとっても悪影響を及ぼしかねません。

Ⅱ.社会における人々の生産性

【1】生産性を上げる人

器が大きい
自分自身だけでなく、周囲の人などに対しても配慮ができる人は周りに好影響を与えます。特に異常時などに人の本性が現れるといいますが、そういった時でも周囲に気を配って対応できる人は、それだけ余裕があり、利他的な性格を持っていることが分かります。

【2】生産性を下げる人

①器が小さい
先ほどの器が大きい人とは反対に、器の小さい人は周囲に悪影響を与えます。悪質クレーマーにこの傾向がありますが、自分の要求がかなわないと不機嫌になり周囲にあたり散らかします。また、肩書にこだわりがある人も周囲を肩書だけで判断するようになり、周囲から反感を買ってしまいます。肩書にこだわっている人も定年退職すればただの人間になります。(逆にいえばそれでも肩書に固執する人が相談役などの名ばかり役職に就く傾向があるのでしょう)なので、まずは自分自身を研鑽していくことから始めていきましょう。

②注意力がない
これも悪質クレーマーに多いですが、例えば何かの特典プレゼントにおいて「○○(期間)は除く」といった注意書きが案内文に記載されていたとしても、それを無視してプレゼントを要求するケースがあります。これは案内を最後まで見ずに最初のタイトルだけで行動を起こしてしまうパターンであり、注意力が乏しい傾向にあります。
またスマホ社会が発展したことで、目の前の光景よりもスマホの画面に注目する人が増えてきました。こうした物理的な注意力が鈍ってしまうと思わぬ事件事故に巻き込まれてしまう可能性があります。また、スマホで何でも調べられるようになった現代において、自分の頭で考えるという習慣がなくなってくると、上記の注意書きの件同様、重要なところを見落とす恐れがあります。最後まで自分でチェックする習慣をつけ、ウマい話などにすぐ飛びつく癖はなくしましょう。

まとめ

日本経済全体において生産性というテーマはよく挙げられますが、個人というミクロで見た生産性はあまり取り上げられていません。しかし、こうしてみるとミクロでの生産性がいずれマクロに影響してくるということが分かります。他人事としてとらえずに、自分の行動が全体に影響を与えていることを感じたほうがいいかと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

にしかつの何気ないつぶやき
いつもご覧いただきありがとうございます。今後も皆さんの関心を引く記事を書いていきますので、よろしければサポートをよろしくお願いいたします!