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水面の光をつかむ

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本が読めなかった

本が読めなかった

現代文の参考書に載っていた書籍を片っ端から大学図書館で借りたものの、何一つ理解ができず、しばらく学問の世界から離れようとしたことがある。

確かに、私はそれなりに現代文ができたし(得点ができる、と言う意味に過ぎない)、きっと難しい本も読めるだろうという甘い見通しがあった。
が、大学図書館の蔵書の群れには完膚なきまで叩き潰されてしまった。

人文学系の学部に入学し、一年次はずっと教養の授業を受けてい

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わたしの正義

わたしの正義

大学に入って驚かされたのが「正義」がいかに相対的なものであるか、ということだ。

高校時代まで「右ならえ右」の世界で生きてきたものだから、私にとってのパラダイムシフトであった。

この事実は、精神的支柱を失うようで怖かった。
というのも、私は所属していたコミュニティ、すなわち高校における「正義」にどっぷり浸かっていたから。

ほんとうの水平線が存在しないように、ほんとうの正義なんてないのかもしれな

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