2018年12月福島、浪江駅前での「復興の演出」
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<続き>
もやい展での大きい作品制作のイメージ構築のための12月取材、2日目。天気はやや曇り。予報では雨や雪が降るとは言ってなかった。しかし寒い。
(一部青空も見える)
(毎度毎度撮影してしまう線路)
初日は何人かの現地の人と話もできたし、イノシシに遭遇というニュース的にはおいしい体験があった(現場は笑い事じゃない)が、作品のための写真が撮れたかというと怪しい1日だった。圧倒されたり気を使ったりで撮影した枚数も初日は250枚程度。2日目はもっとたくさん撮ろうと思った。
木戸駅の手前から見えるフレコンバッグ置き場。緑のシートで禍々しさを誤魔化す。
(さくらステーションKINONE。要はKIOSK)
(あのバスに乗って浪江に向かう。出発は10:25)
今回は富岡から浪江へ向かう代行バスの東側車窓動画を撮影。6号線から見えるフクイチの映像は、初めて見る人にはショッキングかもしれない。
(国道6号に入り少しすると上がり出す)
(帰還困難区域に入るとさらに上がり出す)
(大熊町に入るとさらに上がる)
(この後、4.06μSv/hまで上がった。浪江行きのバス内ではそれが最高だった)
帰宅時の代行バス車内では最高4.67μSv/h。ただ、一気に6マイクロを超えた瞬間に数値が点滅し再計測してから改めて4.67という数値が出たので、瞬間的には6を超えたと思う。ちなみに、感度の悪いエアーカウンターSでは3.45が最高だった。
浪江町酒井地区の帰還困難区域を徒歩で通過中も、瞬間的に4マイクロを超え、点滅したのちに2.52μSv/hを表示した場所があった。何箇所かでそういう現象が起きたので、もし次に行く機会があれば、その現象が起きた場所を詳しく調べた方がいいかもしれない。ホットスポットの可能性がある。
浪江町へ着くと大きな音で祭りが開かれていた。普段はほとんど人がいないだけに、大きな違和感を感じる。また、中学生らしき子供達が踊っているが、浪江駅前はほとんどの場所で0.2μSv/h以上。自治体によっては未成年は立ち入り禁止のエリアで、それも大きな違和感の理由になっている。
祭りを見ても笑顔どころか苦々しい思いで眉間にしわがよるだけだった。
廃墟に囲まれた浪江駅前だが、踊っている中学生を見る限りほとんど違和感を感じていないようだった。
彼らはイベントの時だけ避難先から駆り出される。震災当時、幼稚園か小学校低学年だった彼らにとってみれば、ここは故郷ではないのかもしれない。大人たちの自己満足に過ぎない「復興の演出」のために、避難先(引越し先?)から駆り出される。
祭りをよそに、目的の方向へ向かう。
雪がちらつき、相当に寒い。予報と違うじゃないか!
駅周辺はもちろん、駅から少し歩いてもこんな廃墟が溢れている。まさに廃墟の町だ。駅前の大騒ぎとのコントラストに頭が混乱する。ここは完全な異空間だ。
駅から数百メートルしか離れていない。夕方には、この道をイベントに出た中学生たちが平然とした顔で通り過ぎていった。普通に見れば「ゴーストタウン」が、彼らにとっては日常の風景になっている。非日常が日常になっている。
(家の前のフレコンバッグも、もう見慣れた)
この旅館は営業している。といっても、ゼネコンの宿舎だ。僕が泊まれるかはわからないし、泊まったところで白い目でしか見られないだろう。
(前回訪れた時は人目が気になって撮影できなかったクリーニング屋)
(中は震災直後のままだ。あの洗濯物の主は今どこにいるのだろう)
(「中間貯蔵工事協議会」なる名前が浜通りらしい)
(高瀬川。雪は強くはないが、パラパラと降り続いていた)
<続く>
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