個展『まぼろし 〜ReConstruction FUKUSHIMA』終了しました。
【御礼】
鈴木邦弘個展『まぼろし 〜ReConstruction FUKUSHIMA』は26日(土)で終了しました。最終日は、わずか4時間の間に51人の方にお越しいただき、超密な状態でした。ちょっと信じられない光景でもありました。会場には、絵描き仲間や友人に加え、著名な歌手やジャーナリスト、記者、映像作家、写真家、ライター、歌人、絵本作家の方にも来ていただき、感謝しても感謝しきれません。来ていただいた方、気にかけていただいた方、メッセージをくださった方、イベントをシェアしてくれた方、皆様ありがとうございました。
来場者数は191人で、過去2番目の数となりました。過去最もお客さんが来た時は、別の階の展示のおまけで見に来た人もいたので、純粋に自分の実力という意味では、過去最多となります。そうは言ってももやい展の20分の1ですから、まだまだ頑張らなくてはいけません。売り上げもそれなりでしたが、原画が一枚も売れておらず、画廊にはほとんど貢献出来ずに申し訳ありません。
大きな展示や個展をやるたびに、覚悟や決意といった感情が生まれるものですが、今回は確信というか自信に繋がる展示でした。ああ、自分はこのやり方でいいんだ、そう確信できた展示でした。一切の忖度も何もなく、ちゃんとアートとして成立していながら強烈なメッセージ性も持つ、実物のフレコンバッグを置いたことでそれがさらに強く表れたと思います。
反省点を上げるとすれば、新作が少なかったこと、展示のやり方にもうひと工夫出来なかったかということ、そして、「希望」が見えにくかったことです。もちろん、現実に双葉郡が希望に満ち溢れているかといえばそうではないのですが、経済とか帰還者数がどうとか数字じゃない、本当の意味の僕なりの「復興(希望)」を提示出来ていたらもっとよかったかと思います。
そこでヒントとなるのが、最終日に来てくださった避難者の方からいただいた「黒原範雄写文集『たゆたう光の中で』」かもしれません。震災前の「美しい福島」を写真と詩で綴った書籍です。便宜上「美しい福島」を描いても、その裏にあざとさのようなものが透けて見えてしまっては台無しです。しかし僕が、必然として「美しい福島」を描く時がくれば、そこに少し「希望」が見えるのかもしれません。
前だけ向いて、「まぼろし」のような希望に向かって突き進む人たちは、好きにやればいい。しかし攻撃はしてくるな。僕はそこについていけない、いかない人たちをフォローしながら、第三者の目で伝承していこうと思いました。
最後に、個展開催の声をかけてくれて、期間中休みなしでずっと頑張ってくれたギャラリーの志田智子さんに、お礼を言いたいと思います。どうもありがとうございました。