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2019年夏、浜通り取材 富岡駅〜諏訪神社

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。

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9/21から開催中のカフェギャラリー&ゲストハウスNishilma25さん(岡山県津山市)での個展に向け、詩集「紅」制作のため、7/31、8/1の2日間、浜通りへ取材に行ってきた。4月の取材では大雑把に表現して「怒り」がイメージされたため、6月のえ〜ほん展では赤い空の「紅」を描いた。そこに何か別の要素を入れたいと思い、取材することにした。

個展準備で忙しく、取材から2ヶ月も経ってしまったが、取材記録をアップします。

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(いつものいわきの風景)

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(スッキリしてるなあ)

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単焦点レンズを買ってから初めての福島取材。どんな写真を撮り、そしてどんな絵を描こうか。僕に何が表現できるだろうか。いわき駅のコインロッカーに荷物を預け、10:27の富岡行きに乗って向かう。

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(富岡駅前のフレコンバッグはもうほとんど残ってない)

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(僕が描いたボロボロのフレコンバッグも今は消え、残ってるのはこの程度)

富岡駅に到着。この日の天気予報では最高気温34度。うだるような暑さだが、若干曇り気味で、強い日差しがないことが少し救いだ。

富岡駅はもう何回訪れたかわからない。何回訪れても、驚いた表情で撮影するカメラ小僧がいる。8年経ってもやはり「原発事故被災地」は特別だ。しかしそんな「原発事故被災地」で、駅からトボトボと歩いていく人は僕以外に数人しか見たことがない。

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(ここから大熊町役場まで行けるのか。今度行ってみよう)

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(以前は通れた場所がガードレールで通行止になっていた)

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(廃墟があるから通行止にされたのかな。この先の富岡第一小学校校舎も壊されるというし)

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(少し歩くと年間1mSvの基準(毎時0.23μSv)はすぐに超える)

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(このバイク屋というか自転車屋もそのままだ)

1日目は、今まで同様に炎天下の富岡を歩く。熱中症にならないよう、水分摂取しつつ滝のような汗を流しながら歩いた。

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(JAふたば富岡は解体中)

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(更地は増えたが廃墟もまだ多い)

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(震災直後のままの商店)

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(大きな花)

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(町なかを抜けると線量が上がる。この数値は放射線管理区域だ)

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更地と廃墟の向こうに東電タワーを臨む。東電の浜通り営業所は営業を再開しているが、どんな業務を行なっているのだろう。

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(客神の廃墟もいまだ健在。これも聖火リレーまでに解体されるのだろうか)

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この病院もそのままだ。平日でやや通行量も多いため、今回は中の撮影は見送る。この写真の左側からはまだ撮影したことがない。

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このレストランも解体中。作業員が仕事しており、中の撮影は遠慮した。

普段僕はJRの「週末パス」を使って双葉郡に通っている。平日と違い、週末は作業員やトラックが少なく、人目を気にすることなく歩くことができる。しかしこの日は、青春18切符を使って平日に行ったため、やや気をつかう場面が多かった。

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このあたりの空間線量は0.5〜0.7μSv/hほど。「富岡に住んでいる」という誰かがSNSで「富岡町は空間線量の高い場所でも0.07μSv/h」と書いていたが、あれは明確な「嘘」だ。そしてそんなことが書かれた「まとめサイト」を、どこかの教授さまが「エビデンス」として紹介するさまは、まるでこの世の終わりだ。

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(緑に覆われていく廃墟)

目新しい家でありながら廃墟となっている家を横目に、まずは諏訪神社を目指す。

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(東芝か…)

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(ここも以前は家屋があったのだろうけど、更地だ)

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この家も緑に覆われていく。

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諏訪神社到着。工事中のようだ。

写真は曇り空だが、この日の気温は34度超えで、汗だくでフラフラだった。

空間線量は概ね0.3〜0.8μSv/hほどで推移しており、2や3といった数値に慣れてしまった僕にすればさしてインパクトもなく、普通にここまで歩いてきた。しかしそれが放射能の怖いところで、見えない臭わない、しかし数値は放射線管理区域レベルだ。そんな場所に大人も子供も戻って生活しろというのがこの日本という国。

SNSでは、福島の空間線量は世界の都市と変わりないとかソウルより低いとかそんな言葉が溢れているが、ここは福島ではないとでもいうつもりだろうか。また、福島県の中通りも、「パニックを防ぐためにあえて避難指示を出さなかった」という都市もいくつかあり、そんな場所にはホットスポットはたくさんあるし、土壌汚染まで調べれば放射線管理区域レベルの場所はいくらでもある(みんなのデータサイト: https://minnanods.net )。ミスリードを誘うような言説は巷に溢れているが、避難指示解除の基準が今でも福島県内だけ毎時3.8μSvなのは何故なのか、よく考えるべきだと思う。

<続く>

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