非ロボット人間は作れるのか?
この記事が興味深い。
ヒューマンアカデミーという教育系の企業が、アニメの世界のメカニックデザイナーとして活躍した宮武一貴氏にインタビューしているのだが、ここにヒューマンアカデミーの教育をめぐるさまざまな価値観が端的に表れている。
ヒューマンアカデミーは、かなり先端的な教育をしている。例えば「ロボット教室」というのを展開し、ロボット作りを通じて子供たちのクリエイティビティを育もうとしている。
こうした教育は、実際に効果があると思う。皮肉な話だが、ロボットを作れば作るほどロボット人間からは遠ざかる。これからの時代に最も必要がないのはロボット人間で、最も必要なのはロボットそのものである。
だからロボットを作れば作るほど有用なスキルは育めるし、自分がロボットを作ることでロボットのなんたるかを知り、そことの相対的関係から非ロボット的な人間になろうとすることもできるので、一石二鳥のきわめてよくできたシステムである。
そして、そういう企業がまさにロボットをデザインすることで非ロボット人間の代表のようになった宮武一貴氏にインタビューをするということは、きわめて理に適ったことだ。インタビューの端々から、宮武氏を尊敬する気配が十二分に伝わってくる。さらにいうと「どうすれば宮武氏のような人間になれるのか?」ということを宮武氏本人から聞き出そうとする秘められたテーマも隠しようもなく伝わってくる。
しかし、そこのところにこのインタビューの皮肉で悲しい現実というものも見えてくる。その悲しさが、非常に興味深いのだ。
では、その悲しさとは何か?
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?